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2000 年度 実績報告書

シグナル因子としてのアミノ酸の情報伝達ネットワークの分子機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 12460054
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 久典  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40211164)

研究分担者 吉澤 史昭  宇都宮大学, 農学部, 助教授 (10269243)
野口 忠  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50011937)
キーワードアミノ酸 / 翻訳開始因子 / インスリン / IGFBP-1 / 糖尿病 / 転写因子 / USF / HNF-3
研究概要

各種阻害剤を用いた解析により、アミノ酸の欠乏によるIGFBP-1遺伝子の転写促進効果には、PI3キナーゼおよびMAPキナーゼ系が関与していることが明らかとなった。また、タンパク質栄養の悪化に伴う同遺伝子の転写促進において、転写因子USF-1、USF-2およびHNF-3(肝細胞転写因子)がIGFBP-1プロモーターのアミノ酸応答領域への結合量の変化によることがわかった。この増加は、これらの転写因子の量がタンパク質栄養に応答して増加することによることも明らかにした。特に、HNF-3にはα、β、γの3種類在るが、それぞれがインスリン、グルココルチコイド、タンパク質栄養に対して異なった応答を示すこと、この応答は各HNF-3のmRNAの増加によるものであることがわかった。さらに、無タンパク質食摂取によって、インスリン受容体の基質であるIRS-1のセリンリン酸化が激減し、これによって筋肉におけるインスリンへの感受性が上昇することがわかった。また、翻訳開始制御の主要因子である4E-BP1(翻訳開始因子4E(eIF4E)結合タンパク質1)およびS6K1(70-kDa ribosomal protein S6 kinase)に注目し、ロイシン経口投与後の肝臓および骨格筋の4E-BP1およびS6K1のリン酸化状態を経時的に解析した。その結果、両組織においてロイシン投与1時間後に4E-BP1およびS6K1のリン酸化は最大となった。骨格筋では糖尿病ラットにおいても正常ラットと同様に4E-BP1familyおよびS6K1のリン酸化が刺激されたが、肝臓では糖尿病ラットにおいてロイシンによるリン酸化刺激が消失した。以上のことから、ロイシンはインスリン非依存的に骨格筋の翻訳開始段階を刺激し、ロイシンの作用には組織特異性があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Imae,M.,Inoue,Y.,Fu,Zw.,Kato,H.and Noguchi,T.: "Gene expression of the three members of hepatocyte nuclear factor-3 is differentially regulated by nutritional and hormonal factors."Journal of Endocrinology. 167. R1-R5 (2000)

  • [文献書誌] Fu,ZW.,Noguchi,T.and Kato,H.: "Vitamin A deficiency reduces IGF-I gene expression and increases IGF-I receptor and insulin receptor gene expression in tissues of Japanese quail"The Journal of Nutrition. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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