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2001 年度 実績報告書

ダイズ種子主要貯蔵タンパク質の分子レベルにおける構造・品質相関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12460058
研究機関京都大学

研究代表者

内海 成  京都大学, 農学研究科, 教授 (40111976)

研究分担者 安達 基泰  京都大学, 農学研究科, 助手 (60293958)
丸山 伸之  京都大学, 農学研究科, 助手 (90303908)
キーワードダイズタンパク質 / グリシニン / コングリシニン / 加工特性 / X線結晶構造解析 / 胆汁酸結合能
研究概要

ダイズタンパク質は、血清コレステロール値低下能を持ち、加工特性も備えている。また、栄養性も植物性タンパク質の中で優れている。したがって、ダイズタンパク質の用途を拡大することが望まれるが、このためにはダイズタンパク質の加熱ゲル化性、乳化性、溶解性などの加工特性、そして血清コレステロール値低下能などの生理機能がダイズタンパク質のどのような構造に基づいているのかという、構造・品質相関を分子レベルで明らかにすることが必要である。そこで以下のような点から研究を進めている。
(1)グリシニンおよびコングリシニンの各単一サブユニツト分子種のX線結晶構造解析
咋年度において結晶の得られた組換え型のグリシニンA2B1a、コングリシニンαコア、α'コアのうち、α'コアに関して、2.3Åのレベルで立体構造を解明した。
(2)グリシニンおよびコングリシニンの各種均一分子種の加工特性および特質の解析
グリシニンはグループI(A1aB1b、A1bB2、A2B1a)とグループII(A3B4、A5A4B3)の5種のサブユニットより成るが、限定的なサブユニット組成をもつダイズより、グルーブIのみ、グループIIのみ、A3B4のみ、A5A4B3のみより成る4種のグリシニンを調製し、加工特性と特質を解析した。その結果、グループIIのものの方がグループIよりも乳化性が高いこと、特にA5A4B3が高いことが判明した。また、グリシニンの乳化性は構造安定性や表面疎水性と相関しないことが明らかとなった。
コングリシニンはα、α'、βの3種のサブユニットより成るが、α欠失およびα'欠失ダイズより単一サブユニツト組成のヘテロ分子種を調製し、特性を比較した。その結果、表面疎水性、熱安定性、溶解性、乳化性、加熱会合性に対するサブユニット組成の影響を明らかにできた。
(3)グリシニンの胆汁酸結合能に重要な領域の同定
ダイズタンパク質の血清コレステロール値低下能の最大の要因である胆汁酸結合性を示す領域の同定をグリシニンA1aB1bに関して行った。N末端側およびC末端側からの欠失を順次行うことによって、疎水性が特に強い二つの領域が重要であることを確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shigeru Utsumi: "Structure-function relationships of soybean proteins revealed by using recombinant systems"Enzyme Microb. Tech.. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Nobuyuki Maruyama: "The effect of the N-linked glycans on structural features and physicochemical functions of soybean β-conglycinin homotrimers"J. Am. Oil Chem. Soc.. (in press). (2002)

  • [文献書誌] 内海 成: "大豆グリシニンの生理機能"栄養と健康のライフサイエンス. 5(1). 51-55 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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