研究概要 |
1.湿潤温帯林での接地境界層特性と比較するために,名古屋大学構内におけるコナラ林上での水・エネルギー循環特性の比較を行った.そして,シベリア・アカマツ林,岩手・アカマツ林,名古屋・コナラ林におけるBig Leaf Modelパラメータと環境要因の関係を検討した.その結果,森林が成立する気候帯で慣用要因の変動に対する応答特性が異なっていることが示唆された. 2.つぎにBig Leaf Model内で同じ関数形を用いている既往の研究結果も用いて,各森林が成立している地帯の気候値(Global grid data, 0.25°メッシュ))との関係を検討した.その結果,湿潤地帯に成立する森林ほど大気の乾燥に敏感に反応して気孔をすみやかに閉じることが示された.これは,湿潤帯の森林は乾燥に適応しておらず,乾燥に対する対応を早めていると考えられる.また,低温地帯に成立する森林ほど蒸散最適温度が低くなることが示された.これは,寒冷帯の森林は低温で生理活性を高めるためと考えられた.
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