研究課題
1.研究会を開催して、メンバー間で研究対象を詰めた結果、次のように定義される「里山林」を調査対象とすることが確認された。「里山林とは、居住地域の近くに広がり、薪炭用材や落葉の採取などを通じて、地域住民に継続的に利用されることにより維持管理されてきた森林である。コナラなどの落葉広葉樹林、常緑のアカマツ林のほか、スギ・ヒノキなどの人工林、竹林を含む、さまざまな種類の樹木から構成されている。」2.同じく研究会にて、里山管理の分析枠組みとして次の3つの視点が確認された。(A)里山林地の所有:私共、公。(B)里山林の利用・管理の内容:1)雑木林・アカマツ林を対象とするレクリエーション林としも整備。2)人工林を対象とする林業施業。(C)里山林管理の主体:1)行政主導の内発型、2)山村住民主導の内発型、3)都市住民主導の共同型。3.全国を対象とした現地調査では、今年度は主に概況を把握するとともに、次の項目について着目した。1)里山管理に関わる諸アクターの関係をソシオセントリック・ネットワークとして把握する。2)アクターネットワーク理論に基づき、里山管理に関する人的ネットワークの形成過程を分析する。つまり、合意形成過程をできるだけ把握する。