研究分担者 |
坂上 大翼 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90313080)
奈良 一秀 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助手 (60270899)
宝月 岱造 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10107170)
松下 範久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00282567)
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研究概要 |
(1)感受性の異なる宿主の病徴進展とキャビテーション発生との関連について,表面張力の観点から調べた。その結果,供試した針葉樹5樹種では,マツ材線虫病の感受性が高い樹種ほど表面張力が大きく低下することが明らかにされた。 (2)クロマツ苗の感染後の表面張力の推移についてみると,全ての接種苗で接種直後の病徴前期に表面張力が著しく低下した。そのため、病徴前期の表面張力がどの程度低下するのかが病徴進展に大きな影響を及ぼすものと考えられた。 (3)病徴発現原因物質として,感染後に産生される異常代謝産物の樹体に及ぼす影響を調べた。その結果,材線虫感染によって表面活性物質および蓚酸が産生され,これらによってキャビテーションの発生が促進されるものと考えられた。しかし,これらのうち,蓚酸は表面張力に影響を及ぼさなかった。 (4)表面張力の低下に関与する物質として蓚酸およびエタノールを投与した苗では表面張力の低下が認められず,エスレルを投与した苗のみで低下が認められた。このことから、表面張力の低下にはエチレンが関与している可能性が示唆された。
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