研究課題/領域番号 |
12460077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高部 圭司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183449)
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研究分担者 |
粟野 達也 京都大学, 農学研究科, 助手 (40324660)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助手 (60273489)
藤田 稔 京都大学, 農学研究科, 教授 (60026599)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 木化 / 免疫細胞化学 / PAL / C4H / F5H / CAD / SAD / ラッカーゼ |
研究概要 |
細胞壁の木化に関与する酵素のうち、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、ケイヒ酸4-ヒドロキシラーゼ(C4H)、フェルラ酸5-ヒドロキシラーゼ(F5H)、シンナミルアルコールデヒドロゲナーゼ(CAD)、シナピルアルコールデヒドロゲナーゼ(SAD)の局在を,免疫細胞化学法で調べた。さらにリグニン前駆物質の重合に関与するか否かで議論されているラッカーゼ(Lac)の局在についても、同じ方法で調べた。抗体作製にはペプチド抗体法を用いた。PAL、C4H、F5H、CAD、SADともポプラの分化中木部に標識が現れた。しかしながら免疫電子顕微鏡法で観察すると、C4H、F5Hの標識は主に粗面小胞体の膜近傍とゴルジ装置に現れたのに対し、PAL、CAD、SADのそれは細胞質基質に現れた。我々のカフェー酸O-メチルトランスフェラーゼ(CAOMT)に関する研究では、CAOMTは細胞質基質に存在していた。これらの結果を総合すると、フェニルプロパン単位のベンゼン環の水酸化は粗面小胞体かゴルジ装置の膜近傍で行われ、それ以外の反応は細胞質基質で行われるものと考えられる。 リグニン前駆物質の重合に関与するとされるLacの標識は、ポプラ分化中木部に観察された。免疫電子顕微鏡法で観察すると、標識は二次壁形成が進行した段階で複合細胞間層や、コーナー部の二次壁外側部分に現れた。また放射柔細胞壁が強く標識された。Lacはリグニン前駆物質の重合にも関与するが、傷害から樹体を守るために何らかの機能を果たしている可能性が高くなった。 木材の主要なヘミセルロースであるキシラン、グルコマンナンの堆積過程を免疫細胞化学法で調べた。その結果、前者は挿入的に細胞壁に堆積し、後者は付加的に堆積することが判明した。
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