研究課題/領域番号 |
12460081
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山羽 悦郎 北海道大学, 水産学部, 助教授 (60191376)
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研究分担者 |
木下 政人 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60263125)
平井 俊朗 帝京科学大学, 理工学部, 助手 (30238331)
荒井 克俊 北海道大学, 水産科学研究科, 教授 (00137902)
吉崎 悟朗 東京水産大学, 水産学部, 助手 (70281003)
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キーワード | 始原生殖細胞 / PGCs / 中胚葉誘導 / vasa / vasa-GFP / 生殖細胞キメラ |
研究概要 |
1.魚種に関するPGCsの発生学的な動態を調べるために、コイ、ドジョウ、アメマス、カットスロートトロウト、ヒラメなどのvasa遺伝子の部分のクローニングを行った。2.PGCsの胚内部での移動の制御機構を調べるために、背腹軸を欠如させた胚、中胚葉形成を欠如させた胚でのPGCsの形成、維持をvasa遺伝子の発現を指標として調べた。その結果、背腹軸を欠如させた胚では受精後4日まで、中胚葉形成が欠如した胚でも25時間までvasa遺伝子の発現を続ける細胞が確認された。3.魚類の借腹生産の可能性を探るため、3倍体フナのPGCsを含む胚盤領域をキンギョの胚盤へ移植し、生殖細胞キメラ個体を作成した。このキメラ個体の雌個体から、フナとキンギョの両方の卵が得られることが明らかにされた。現在、宿主となる個体が不妊となる系統を利用し、移植されたPGCsのみを形成する生殖細胞キメラ個体を育成中である。4.ニジマスのvasa遺伝子の発現領域に緑色蛍光蛋白質(GFP)遺伝子を接続したキメラ遺伝子(vasa-GFP)を導入した「トランスジェニックニジマス」を作成した。キメラ遺伝子が組み換えられた精子でニジマス第2世代を作出したところ、この子孫個体のPGCsおよび生殖巣は蛍光を発することが確認された。5.蛍光を発するPGCsをセルソーターで分離できることが明らかとなった。この分離したPGCsからcDNAライブラリーを作成した。現在、このライブラリーより、PGCsで特異的に発現する遺伝子をスクリーニング中である。
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