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2002 年度 実績報告書

魚類の小脳による遊泳運動制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12460086
研究機関広島大学

研究代表者

植松 一眞  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00116542)

研究分担者 吉田 将之  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (70253119)
キーワードキンギョ / 小脳 / 出力ニューロン / 逆行性標識 / 破壊 / ニューロン活動 / 行動 / 遊泳運動
研究概要

1.[小脳ニューロンの形態と伝達物質]キンギョ小脳体基部に神経トレーサーを注入し、魚類小脳の出力細胞である広樹状突起細胞を逆行性標識した。同じ切片にGABA抗体を用いた免疫染色を施し、トレーサーとの二重染色を行った。その結果、逆行性標識された広樹状突起細胞はすべてGABA陰性であった。哺乳動物と同様、魚類小脳においてもPurkinje細胞層に存在する2種類の大型ニューロンのうち、GABAを伝達物質とするのはPurkinje細胞だけであり、出力細胞である広樹状突起細胞は他の神経伝達物質を持つ可能性が示唆された。(植松担当)
2.[遊泳運動中の小脳ニューロンの活動]キンギョの小脳に複数の記録電極を装着し、自由遊泳中の小脳ニューロンの活動と行動との相関を調べた。記録深度および活動電位のスパイク形状からPurkinje細胞と顆粒細胞が識別できた。旋回運動に同期して発火頻度を変化させているように思われるニューロンが見いだされた。(吉田担当)
3.[小脳ニューロンの形態と電気的活動]不動化したキンギョの小脳体にガラス電極を刺入してPurkinje細胞層のニューロンから細胞内記録を行った。記録したニューロンは電極に充填したbiocytinにより標識し、その形態からニューロンの種類を判別した。広樹状突起細胞およびPurkinje細胞から記録を得ることができた。今後、得られた波形の振幅、頻度、形状を比較し、広樹状突起細胞とPurkinje細胞の生理学的特性を識別していく予定である。(植松・吉田担当)
4.[小脳の部分切除と運動]キンギョの頭蓋に開けた小孔からアスピレータを挿入し、小脳体を部分あるいは全部切除した。いずれの場合にも、見かけ上、魚の行動にはまったく異常が見られず、通常通り餌を取ることができた。ただし、餌を見つけてから食べるまでの時間に延長が認められた。(植松担当)

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ikenaga, T.: "Efferent Connections of the Cerebellum of the Goldfish, Carassius auratus"Brain, Behavior and Evolution. 60-1. 36-51 (2002)

  • [文献書誌] 植松一眞, 他2名共編: "魚類のニューロサイエンス"恒星祉厚生閣. 310 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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