研究概要 |
(1)麻痺性貝毒生産ラン藻Anabaena circinalisを合計300L大量培養し、培養濾液から3段階のクロマトグラフィーにより高収率で化学反応の出発物質となる基質毒C1,C2およびゴニオトキシン-2,3を精製した。 (2)ゴニオトキシン2,3の11位から架橋して調製する第1の麻痺性貝毒結合高分子用のアフィニティークロマト資材の合成反応条件を再検討し、収率を2倍に向上させることに成功した。 (3)C1,C2から2段階でデカルバモイルサキシトキシンを調製したのち、13位ヘコハク酸を導入し、次いでカルボジイミドを使って合成ポリマーSephalose4Bに結合させ、アミノ基を遮蔽することにより第2のアフィニティークロマト資材を調製した。 (4)両種のアフィニティークロマト資材の安定性を検討し、pH4.5、4℃の保存で、5ヶ月後に80,70%以上が安定に保たれていることを確認し、実用性を明らかにした。 (5)両アフィニティークロマト資材を使って、麻痺性貝毒を生産する渦鞭毛藻Alexandrium tamarense及びラン藻A.. circinalisの粗抽出液を検索した結果、特異的に結合する数種のタンパク質が存在することを確認した。その機能については現在検討中である。 (6)ゴニオトキシン2,3及びデカルバモイルサキシトキシンを3-メルカプトプロピオン酸及びコハク酸を介してBSAに結合させ、免疫用の抗原を合成した。BSA1分子当たり、4及び2分子のサキシトキシンが導入されていることを確認した。
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