研究課題/領域番号 |
12460094
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
神谷 久男 北里大学, 水産学部, 教授 (80011964)
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研究分担者 |
小池 一彦 北里大学, 水産学部, 講師 (30265722)
神保 充 北里大学, 水産学部, 講師 (10291650)
酒井 隆一 北里大学, 水産学部, 助教授 (20265721)
丸山 正 (株)海洋バイオテクノロジー研究所, 主任研究員
村本 光二 東北大学, 農学部, 教授 (90157800)
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キーワード | シゲミカタトサカ / レクチン / 共生藻 / Sumbiodinium / 共生 |
研究概要 |
シゲミカタトサカレクチンSLL-2サブユニット分子量分析値とレクチンcDNAから推測した分子量の差3Kの原因を検討した。その結果、この差は糖鎖ではなく、レクチン分子に結合するメラニン様麟分の結合によるものと判断した。精製レクチンをシアノブロム分解して調製したペプチドフラグメントをウェスタンブロットしたところ8K成分がSLL-2抗体と反応する。Metの位置から本レクチンはC末端部分のTyr残基が修飾されてメラニン様成分が付加していると考えられる。八放サンゴ類はカテコール類を豊富に含有し、生物が褐色化することはよく知られている。そこで、数時間のうちに精製する迅速精製法を確立したが、精製レクチンの褐色化を防げなかった。試料採集直後から急激なメラニン化が予測されたので、沖縄での試料採集時、直ちに酸性側にするなどの方法を試みたが、本種におけるメラニン化の反応はきわめて迅速でメラニン化を抑制することは出来なかった。一方、レクチン遺伝子を大腸菌に導入してSLL-2の発現を試みたが、凝集活性をもつ標品を得る事が出来なかった。SLL-2はサブユニット8-10個が非共有結合してレクチン分子を形成しているが、分子内中のジスルフィド結合の形成と重合の条件を詳細に検討する必要がある。レクチン固定ゲルとシャコガイ由来のSymbiodinium抽出物高分子画分との反応を調べたところ、,共生藻の細胞膜画分に2成分のレクチンカラム結合成分が存在することが認められた。この結果はレクチン抗体での免疫組織染色結果とよく一致していた。Symbiodinium培養株はSLL-2を添加すると細胞の形態が自由生活ステージから共生ステージのものに変化し、そのまま維持された。増殖も抑制される事は無かった。しかしこれらのSLL-2への感受性は株間で異なっていた。
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