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2002 年度 実績報告書

X線立体造影法による土壌間隙研究の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 12460103
研究機関弘前大学

研究代表者

佐々木 長市  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30162374)

研究分担者 松井 章  奈良国立文化財研究所, 主任研究官 (20157225)
佐藤 幸一  北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (10110876)
徳永 光一  岩手大学, 農学部, 名誉教授
キーワード根成孔隙 / プラントオパール / 弥生水田 / 間隙の劣化 / 間隙
研究概要

最終年度となり、これまでの取りまとめと補足実験を中心に研究を進めた。以下に、要点のみを記載する。
1.孔隙の連続性と変動及び示層化石性
本年度は、十和田八甲田火山灰地における連続採土を実施し、根成孔隙の変動特性を調査した。採土を、約11万年前の土層を中心に現地表から約10mの範囲を縦15×横20×深さ30cmの不撹乱土で27層、100ccサンプラで32層について実施し、X線写真撮影及び土壌の物理性の変動を調査した。その結果、全層に根成孔隙が確認されかつ氷期で平均孔隙径が細く、間氷期で太くなる傾向が認められた。これに対応し透水係数の変動が認められた。
タイ王国の土壌間隙のX線撮影の実施により、心土層に乾燥亀裂を伴う根成孔隙の不連続が発生していことが判明した。この変動は乾期をもつ水田地帯の透水性の低下の一因であることが推測された。これらの一部の成果は、国際土壌学会が報告した。
2.考古遺跡における水稲根、畑作根の造影
昨年度に続き奈良の福万寺の水田土壌の撮影を実施し、面的な根成孔隙の特性を明らかにした。また、現代において不耕起栽培をしている水田から土壌を採取し、深度別根成孔隙の特徴を影像化し、弥生水田の根成孔隙と比較検討することにより、当時の田植え時の作業は不耕起であった可能性が示唆された。また、現在の水田における根成孔隙特徴をX線影像により解明し、根成孔隙密度などに類似性があることを明らかにした。
3.根成孔隙の経時的耐久性
根成孔隙の耐久性が経時性に低下し、土壌劣化を起こす原因が年数とともに凍結融解という気候変動によることがX線影像より示唆され、かつ乾燥等の履歴もこれに加えて影響を及ぼすことが明らかになった。しかし、本年は、根成孔隙が72万年前後のながきにわたり存在することを撮影資料の個数を増やすことにより明確になった。これらの変動の傍証となるプラントオパールの特徴も気候変動と対応して土中に存在していた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sasaki, C., Tokunaga, K., Sase, T., Sato, K.: "Influence of the difference of soil-forming process on the chabge of pore distribution"Transaction of 17th ICSS (CD=ROM). No.1093. 1-6 (2002)

  • [文献書誌] Sato, K., Tokunaga, K., Sase, T., Sasaki, C.: "Studies on the formation and durability of pore systems formed by roots which affect water retention and drainage actions of the soil"Transaction of 17th ICSS (CD=ROM). No.929. 1-6 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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