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2001 年度 実績報告書

農業用水路の水環境と魚類の応答行動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12460107
研究機関九州大学

研究代表者

四ヶ所 四男美  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80038265)

研究分担者 平松 和昭  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (10199094)
森 健  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50117272)
キーワード農業用水路 / 水理環境 / メダカ / 環境選好性 / 群行動 / カオス工学 / 室内実験 / 現地観測
研究概要

本研究では,魚類にとって良好な生息環境とはどのようなものかを,主として水路の水環境の側面から水理学的に検討することを目的とする.今年度は,昨年度に引き続き,水路の水環境に対するメダカの選好特性や構造物周辺の水理特性を室内実験で把握した.さらに現地観測によって,室内実験で得られた知見の検証を試みた.
まず,農業用水路の水理環境に対するメダカの選好性を評価するため,室内実験を行った.流速因子および水深因子,遮蔽因子を変化させ,これらの因子に対するヒメダカの選好強度を定量化する一方で,これらの因子を多様に変化させた水槽内でのメダカの定位パターンや現地観測結果から,得られた選好強度式の検証を行った.さらに,魚巣ブロック内の流れ場の詳細な計測によってその水理環境を明らかにした.
次に,個体ベースモデルによる水環境評価を視座においた魚群行動モデル構築のため,水槽実験と数値実験を行った.水槽内でメダカを自由に遊泳させ,この軌跡から,個体の特徴パラメータとして遊泳速度とNearest Neignbor Distance (NND),魚群の結合性のパラメータとして拡がり度,魚群の並行定位性のパラメータとして偏向度を選択し,水槽実験で得られた知見を基に,群行動の数理モデルを検討した.モデリングには行動パターンモデルと自律分散型多層パーセプトロンモデルを採用した.数値実験によって両モデルの特徴を明らかにするとともに,水槽実験で得られた遊泳速度,NND,拡がり度,偏向度の再現には両モデルとも有効であるとの結論を得た.
さらに、魚類の遊泳行動の特徴抽出を目的として,ウェーブレット解析やカオス工学のリターンマップ,フラクタル次元,相関次元,リアプノフ数を上記水槽実験で得られた遊泳軌跡に適用し,これらによって遊泳行動の定量的な特徴抽出が可能であること,魚類の安息度の評価やバイオモニタリングなどへの応用が可能であることを示した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hiramatsu K.et al.: "Simulation and Analysis of a Fish School in a Water Tank using a Behavioral Pattern Model"Proceedings of the 12^<th> Congress of the Asia and Pacific Division of the International Association for Hydraulic Engineering and Research. 1293-1302 (2000)

  • [文献書誌] Hiramatsu K.et al.: "Mathematical Modeling of Fish Schooling of Japanese Medaka using Basic Behavioral Patterns"Journal of the Faculty of Agriculture, Kyushu University. 45(1). 237-253 (2000)

  • [文献書誌] 平松 和昭 他: "カオス工学的アプローチによる水環境に対する魚類の安息度評価の試み"応用水文. 14. 74-81 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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