研究課題/領域番号 |
12460123
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
海老原 史樹文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50135331)
|
研究分担者 |
吉村 崇 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40291413)
蛭薙 観順 名古屋大学, 博物館, 助教授 (00126898)
松田 幹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20144131)
|
キーワード | 時計遺伝子 / ウズラ / 光周性 / 概日リズム / 視交差上核 |
研究概要 |
ウズラの時計遺伝子のクローニングを試み、世界に先駆けてウズラでPeriod(qPer2及びqPer3)とClock(qClock)遺伝子を単離することに成功した(Molecular Brain Research,2000)。クローニングした時計遺伝子を染色体上にマッピングし、時計組織である松果体、網膜における発現リズム及び光による発現誘導、さらに末梢組織における遺伝子発現などについて検討した。その結果、クローニングした遺伝子はいずれも時計組織である松果体や網膜に強く発現し、それには明確な概日リズムが見られること、さらに多くの末梢組織にも発現することが明らかになった。末梢における発現リズムも松果体や網膜と同じ時刻に発現のピークを示した。光によって発現誘導が起こるのはqPer2遺伝子だけで、概日リズムの明暗周期への同調メカニズムがこの遺伝子の光応答により説明できた。また、哺乳類では、視床下部の視交差上核(SCN)が概日リズムの振動体であることが知られているが、他の脊椎動物ではSCNの解剖学的所在については明確ではなかった。そこで、時計遺伝子の発現を利用してSCNを同定した(American J Physiology,2001)。その結果、従来から想定されていた部位とは異なる神経核がSCNであることが明らかとなった。この成果は、非哺乳脊椎動物でSCNを同定した始めての例であると共に、現在コンセンサスとなっている哺乳動物を含めた脊椎動物の概日制御モデルに再検討を促す結果となった。
|