プリオン様遺伝子(Prnd)に対するプリオン蛋白の作用に関する研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12460131
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 小野寺 節 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90012781)
• 研究分担者: 佐伯 圭一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10311630) ; 松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
• キーワード: プリオン / ドッペル / ノックアウトマウス / 狂牛病 / スクレイピー / 牛海綿状脳症 / 遺伝子導入 / 免疫組織化学

研究概要

Prnd遺伝子をプリオンレス細胞に導入する事によるPrnd遺伝子の動向について検索した。1)DNA-PCRによるPrndの正常な存在の確認、2)RT-PCRによるPrnd mRNAの増減の確認、3)Prnd蛋白に対する抗体を用いたフローサイトメーターによる蛋白発現量の増減の確認によって行った。その結果我々のプリオンレス細胞は多量のPrnd蛋白を産生していることが明らかにされた。また、Prndを改めて導入された細胞は激しいアポトーシスを血清除去直後に示した従って、Prnd蛋白の大量産生はアポトーシスに深く結びついていることが明らかにされた。また、J.Mol.Biol.のPrusiner博士の報告の追試になるかもしれないが、我々の保持しているPrnp-/-ノックアウトマウスにおいて、1)Prndの正常な存在の確認、2)RT-PCRによるPrnd mRNAの増減の確認、3)行動異常(ataxia)を起こした月令(6ヵ月令)におけるPrnd蛋白の確認を行った。このマウスは、病理学的には性成熟期頃から神経細胞の変性が見られることから、この時期に注目してPrnd蛋白の蓄積を観察している。

研究成果

• [文献書誌] Hashimoto,A.,Onodera,T. et al.: "Isolation and characterization of fetal bovine brain cells in primary culture."Research in Veterinary Science. 69. 39-46 (2000)
• [文献書誌] Kuwahara,c.,Onodera,T. et al.: "Enhanced expression of cellular prion protein gene by insulin or nerve growth factor."Biochemical and Biophysical Research Communications. 268. 763-766 (2000)
• [文献書誌] Kubosaki,A.,Onodera,T. et al.: "Analysis of prion protein mRNA by in situ hybridization in brain and placenta of sheep."Biochemical and Biophysical Research Communications. 273. 890-893 (2000)
• [文献書誌] Kubosaki,A.,Onodera,T. et al.: "Regulation of cellular form of the prion protein expression in mouse T lymphocytes, and Bone marrow cells, analyzed by wild-type and prion gene deficient mice."Biochemical and Biophysical Research Communications. (印刷中). (2001)