研究概要 |
ブロイラー鶏糞に特化したスクリュー搬送式管状炭化炉を設計試作した。炭化炉には廃熱を利用する乾燥フィーダーを設け、熱効率と炭化速度を向上させ、小型ながら350kg/hr(製品炭70kg/hr)の処理速度を有する炭化炉を完成した。本炭化炉による炭化物製造コストは2,900円/m^3となり(オガ屑敷料価格3,700円/m^3)オガクズ代替敷料として価格的にも十分に成立する生産効率が得られた。炭化物製造時のダイオキシン等有害物質の測定を公的機関に依頼して行ったところ、総ダイオキシン類(ダイオキシン類+コプラナーPCB)は0.08ng-TEQ/m^3N、ダスト濃度0.0149/m^3N、塩化水素濃度140mg/m^3Nと基準値を大きく下回り(各々基準値の1/62.5、1/10.7、1/5.0)、全く問題が無いことも明らかになった。製造した鶏糞炭をオガ屑と混合したリサイクル敷料を用い、ブロイラー飼育試験を夏冬の2期にわたって佐賀県畜産試験場で行った。飼育試験は1群40羽2連とし、炭化敷料を25%あるいは50%混合した混合敷料と対照区(オガ屑のみ)による56日間の飼育を行った。その結果、混合敷料区の飼育成績(増体量、飼料要求率、育成率、解体成績、OPG、大腸菌郡数)は対照区に対して全く遜色なく、リサイクル敷料としての有効性が確認された。但し、炭化物焼成時の水蒸気賦活化の方法に改良の余地を残し、敷料悪臭低減効果は、対照区より若干低い程度にとどまった。
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