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2000 年度 実績報告書

生殖細胞アポトーシス誘導プログラムの多様性と一様性

研究課題

研究課題/領域番号 12470003
研究機関長崎大学

研究代表者

小路 武彦  長崎大学, 医学部, 教授 (30170179)

研究分担者 和泉 伸一  長崎大学, 医学部, 助手 (40264246)
進 正志  長崎大学, 医学部, 助手 (80145226)
菱川 善隆  長崎大学, 医学部, 講師 (60304276)
キーワードマウス精巣 / 生殖細胞 / アポトーシス / Bcl-2 / Bax系 / Fas / Fasリガンド系 / 組織細胞化学
研究概要

既に精子形成過程では、生殖細胞の高頻度なアポトーシスが知られているがその分子制御機構には不明な点が多い。本研究では、マウス精巣に於いて既に精子形成過程を阻害することが知られてる潜伏精巣、虚血再灌流精巣、抗ガン剤投与精巣及びエストロゲン等の生殖毒性物質の大量投与精巣等の質の異なる障害精巣に於いて生殖細胞死の誘導機構を解析することにより生殖細胞死制御の一様な原理を見いだし、特に正常過程での生殖細胞死の調節機構への洞察を得ることを目的とした。本年度は、正常精巣並びに種々の障害精巣モデル試料作成と基本的な生殖細胞アポトーシスの性格付けを中心として研究を行った。その結果、1)正常精巣ではstage XI-XIIの精細管に頻回な生殖細胞死を認め、それらは電顕観察並びにTUNEL染色よりアポトーシスであることが明らかとなった。しかし、明白なDNAラダーは認められず、またFas/FasL系やBcl-2/Bax系の関与も認められなかった。2)一方、潜伏精巣、虚血再灌流精巣では、処理後TUNEL陽性細胞の増大と共に、明白なDNAラダーの出現を認めアポトーシスの増大を確認した。これら生殖細胞アポトーシス誘導と種々のアポトーシス関連遺伝子の検索を行ったところ、潜伏精巣ではBcl-2/Bax系の関与が、また虚血再灌流精巣ではFas/FasL系の関与が明らかとなった。3)生殖毒性物質の投与モデルとしては、estradiol-3-benzoate及びdiethylstilbestrolの投与モデルを検討し、両系での生殖細胞アポトーシス誘導とFas/FasL系の関与を明らかにした。この操作では、他の実験系と異なり、精粗細胞死は誘導されないことも見い出された。以上の結果は、生殖細胞死誘導過程には多様性が存在することと共に、分子機構としてFas/FasL系とBcl-2/Bax系の重要性を示している。更に、正常精巣での生殖細胞アポトーシス誘導への第三の分子機構の存在を強く示唆する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Nishihara,E: "Ontogenetic changes in the expression of estrogen receptor α andβin rat pituitary gland by immunohistochemistry"Endocrinology. 141・2. 615-620 (2000)

  • [文献書誌] Matsumi,H: "Nitric oxide as a cytostatic factor in ovarian follicle development"Biol.Reprod. 63・1. 141-146 (2000)

  • [文献書誌] Nakamura,H: "Expression and function of X-chromsome-linked inhibitor of apoptosis protein in Siogren's syndrome"Lab Jnuest. 80・9. 1421-1427 (2000)

  • [文献書誌] Okada,K: "Frequency of apoptosis of tumor-infiltrating lymphocytes induced by Fas counterattack in human colorectal carcinoma and its correlation with prognosis"Clin.Cancer Res. 6・9. 3560-3564 (2000)

  • [文献書誌] Braiden,V: "Selective targeting and apoptotic death of breast cancer cells by hyperthermia and heat-inducible suicide gene therapy"Human Gene Therapy. 11・18. 2453-2463 (2000)

  • [文献書誌] Choi,Y: "Mechanism of chronic obstructive uropathy : Inceased expression of apoptosis-promoting molecules"Kidney Int.. 58・4. 1481-1491 (2000)

  • [文献書誌] Koji,T ed: "Molecular Histochemical Techniques (Springer Lab Manual)"Springer-Verlag, Heidelberg. 263 (2000)

  • [文献書誌] 大槻勝紀 編: "臓器別アポトーシス証明法"南江堂,東京. 259 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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