研究課題/領域番号 |
12470004
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松野 健二郎 熊本大学, 医学部, 講師 (20094047)
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研究分担者 |
末松 誠 慶応大学, 医学部, 助教授 (00206385)
江崎 太一 熊本大学, 医学部, 講師 (10128259)
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キーワード | 肝臓 / 肝リンパ / 肝類洞 / 樹状細胞 / 樹状前駆細胞 / クッパー細胞 / レクチン / 生体内移動 |
研究概要 |
(1)肝間質性樹状細胞の動態(肝内分布とターンオーバー) 定常状態では前駆細胞が骨髄から血行性にコンスタントに供給され、見張り番のInterstitial DCとして主にグリソン鞘の門脈領域などの肝臓間質に分布する。抗原刺激がない場合でも2〜3週間で肝臓を去り、肝リンパから肝所属リンパ節へ遊走し、T細胞領域に集積することがわかった(発表論文1番目)。 (2)生体肝における血液由来樹状細胞の類洞・リンパ転位経路の解明 ホストラットに静脈投与後、樹状細胞はすぐに肝臓内の門脈終枝領域に出現し、小葉辺縁部の類洞内でクッパー細胞と付着・集積し、その後類洞血管外に出る。一方、リポゾーム投与によりクッパー細胞を除去したホストでは、樹状細胞の肝内集積は見られなくなることまでわかった(第6回樹状細胞国際シンポジウムで発表)。また、心移植の系でも移植心由来の樹状細胞がこの経路をとることが明らかになった(発表論文4番目)。 (3)クッパー細胞との相互作用の解析 樹状細胞とクッパー細胞の接着にはN-acetylgalactosamine特異的なレクチン様レセプター分子が関与していることを証明した(発表論文3番目)。 (4)前駆細胞の肝内リクルートの解析 ラット前駆細胞が内毒素を静注後12時間で肝臓に集積することが明らかになった(投稿中)。また、マウスで細菌(P.acnes死菌)投与によっても数時間で血中に前駆細胞が多数出現し、肝臓に集積することを証明した(発表論文4番目)。
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