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2000 年度 実績報告書

ケイジド試薬を用いたカルシウム依存性細胞機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12470006
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

河西 春郎  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (60224375)

キーワードグルタミン酸受容体 / 2光子励起 / ケイジド試薬 / シナプス
研究概要

今年度はケイジド酸の2光子励起による局所的グルタミン酸投与法の開発を行い実用に耐えるケイジド試薬の合成に成功した。この試薬を細胞外に投与しながら海馬培養細胞をホールセルクランプして電流記録を行い樹状突起部位において超短パルスレーザー照射を行うとシナプス後電流とほとんど同じ速い時間経過で一過性内向き電流が活性化した。このグルタミン酸電流は励起光のパワーの2.2-2.5乗に依存した。これは、励起が2光子過程であること、及び、グルタミン酸の受容体への結合の共同性からよく説明される。この電流の空間分布を測定するために、およそ10ミクロン四方の樹状突起領域を覆う500ピクセルの各点において、グルタミン酸電流を記録するシステムを構築した。こうして記録されたAMPA電流は、FM1-43で標識されるシナプス前終末に接する樹状突起に限局してパッチ状に分布していることが解像した。このパッチの空間分布から、我々のシステムの空間解像はx軸で0.74ミクロン、z軸で1.2ミクロン以下であることが推定されたこのケイジドグルタミン酸誘導体は水溶液中で極めて安定で、微量のグルタミン酸の漏出も起きないので、グルタミン酸に高親和性のNMDA受容体の分布測定も可能であった。実際、AMPA成分とNMDA成分の大きさは樹状突起の部位により異なり、ほぼNMDAにのみ感受性を示す領域も観察された。こうして、2光子励起法を応用した我々のシステムは脳標本においてシナプスの重み分布やその動態、或いは単一シナプスレベルの局所刺激を行うことのできる新しい方法論であることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nemoto,T.: "Sequential-replenishment mechanism of exocytosis in pancreatic acini"Nature Cell Biol. 3. 253-258 (2001)

  • [文献書誌] Kishimoto,T.: "Ion selectivities of the Ca^<2+> sensors for exocytosis in rat phaeochromocytoma cells"J.Physiol.(Lond.). (in press).

  • [文献書誌] Tsubamoto Y.: "Hexamminecobalt (III) chloride inhibits glucose-induced insulin secretion at the exochtotic process"J.Biol.Chem.. 276. 2979-2985 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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