研究概要 |
1、小腸K吸収に関して検討する目的で、マウスの小腸をUssing chamberに取り付け、^<42>Kを用いて両方向性フラックスを測定した。その結果、吸収方向の^<42>Kフラックスは逆方向のフラックスより大きいことから、能動輸送によるK吸収機序が存在することが明らかになった。この吸収は、メディウムよりCO_2/HCO_3を除去しても影響を受けなかったことより、H/K交換輸送担体が関与している可能性は低いと考えられた。 2、大腸でのK吸収に関して検討する目的で、マウスの大腸をUssing chamberに取り付け、^<42>Kを用いて両方向性フラックスを測定した。管腔側ウアバインで吸収方向の^<42>Kフラックスは抑制されたので、ウアバイン感受性のH, K-ATPaseが大腸K吸収を担っていることが示唆された。管腔側Clイオン濃度を通常の120mM程度から5mMまで低下してもウアバイン感受性^<42>K吸収は影響を受けなかったことからK吸収はClイオンには依存していないと考えられた。 3、大腸K吸収がH, K-ATPaseによることをさらに明らかにする目的で、pHスタット法を用い酸分泌を測定した。管腔側Clイオン除去の条件下では、管腔側ウアバイン投与により抑制される酸分率が観察され、その大きさはウアバイン感受性の^<42>K吸収フラックスとほぼ同程度であった。このことはH, K-ATPaseの関与を支持するものであった。しかし、Clイオン存在下では逆にウアバインにより酸分泌が亢進する結果となり、予想と反する結果となった。 4、低ナトリウム食を投与した高アルドステロンマウスにおいて、大腸ウアバイン感受性^<42>K吸収フラックス、及ぴウアバイン感受性酸分泌活性を測定したところ、その大きさは、上記コントロール食マウスと目立った差はなかった。アルドステロンによるH, K-ATpaseの活性化は弱いものと考えられる。
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