研究概要 |
皮膚温の変化に反応してインパルスを出す温・冷細胞は,温度センサーでなく,温度調節器(サーモスタット)と代表者は提案している。だが、その実体は分かっていない。この研究では、感覚線維の細胞体がある後根神経節(DRG)より培養した冷細胞のイオン機構・分子機構を解析し、温度調節器の実体を解明する。 12年度:DRGの冷受容細胞からパッチクランプ記録した。ホールセル電流固定下,閾以下の冷却は,脱分極(受容器電位)とバースト状のインパルスを引き起こした。ホールセル電位固定(-60mV)下,冷却は内向き電流を誘発した。その電流-電圧曲線から,冷却は非選択的陽イオンチャンネルを活性化すると示唆された。細胞から切離したout-side out patch法では,冷却で活性化する単一陽イオンチャンネル電流が記録できた。これは,温度が直接的にチャンネルを活性化することを示唆する。すなわち、冷却で開口するカチオンチャンネルが、温度調節器の実体だと同定した(投稿中)。
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