研究課題/領域番号 |
12470018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
笹 征史 広島大学, 医学部, 教授 (20025654)
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研究分担者 |
天野 託 広島大学, 医学部, 助手 (10294547)
松林 弘明 広島大学, 医学部, 講師 (60165850)
石原 熊寿 広島大学, 医学部, 助教授 (20212912)
芹川 忠夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (30025655)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | トレモアラット / てんかん発作 / アスパルトアセチレース遺伝子 / N-アセチルアスパルテート(NAA) / SER / 代謝型グルタミン酸受容体 / Ca^<2+>チャネル / GABA_A受容体 |
研究概要 |
我々は1985年、キョウトウイスター由来の突然変異体のトレモアラット(tm/tm)ヘテロとSD系由来の突然変異体のチッターラット(zi/zi)ホモを交配し、自発的にてんかん発作を起こす二重突然変異体を得、自然発症てんかんラット(SER : tm/tm、zi/zi)と命名した。これまでの研究によりSERの親系統のtm遺伝子は第10染色体長腕(10q24)にあり、zi遺伝子は3q35に存在することを明らかにした。さらに12〜13年度に(1)tm遺伝子領域にN-アセチルアスパルテート(NAA)を代謝するアスパルトアシレース遺伝子(ASP)が欠損していることが見い出され、脳内にNAAが高濃度が蓄積していることが判明した。(2)NAAは発作を誘発することを明らかにした。さらに(3)パッチクランプ法により検討した結果、NAAは正常ウイスター海馬急性単離細胞において用量依存性に内向き電流を惹起し、これに関与する受容体は代謝型グルタミン酸受容体であることを証明した。次に、(4)トレモアラット側脳質にアデノウイルスに組み込んだアスパルトアセチレース遺伝子(ASP)を導入した動物ではてんかん発作を抑制することが認められた。以上の結果から、NAAがてんかん発作誘因の一つであることが明らかにされた。さらに(5)苔状線維の単一刺激によりSER海馬CA3野錐体細胞に選択的に大量のCa^<2+>流入が起こること、(6)SER海馬CA3細胞にビガバトリンがGABA_A受容体アゴニストとして働き、てんかん発作を抑制することも見いだした。
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