研究課題/領域番号 |
12470020
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊東 祐之 九州大学, 医学研究院, 教授 (80037506)
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研究分担者 |
下東 康幸 九州大学, 理学研究院, 教授 (00211293)
尾上 均 九州大学, 医学研究院, 講師 (70221166)
井上 隆司 九州大学, 医学研究院, 助教授 (30232573)
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キーワード | Caチャネル / Caチャネル拮抗薬 / 血管平滑筋 / 血圧 / 末梢循環 |
研究概要 |
我々が発見し、末梢の細動脈に優勢に発現しているニフェジピン非感受性高電位活性化型Caチャネル(NI-VDCC)の阻害薬の検索を行い以下の結果を得た。すなわちR型、T型Caチャネルの阻害薬、SNX482(200nM)、sFTX3.3(1μM)、ω-Aga TK(100nM)には有意な阻害効果がないが、mibefradilはR型、T型Caチャネルに対するのと同程度の効力でNI-VDCCを完全に抑制することが判明した(IC50=0.4μM)。 fura-2によるCa蛍光測定法及びビデオ画像解析による血管径測定法を用い、腸間膜細動脈におけるNI-VDCCの生理的役割を検討した。過剰K溶液(30-77mM)投与によって生じる細胞内Ca^<2+>上昇やそれに伴う血管径減少は、ニフェジピン10μMの前投与で約50%しか抑制されなかった。一方mibefradilはNI-VDCCを抑制するのと同程度の効力で、このニフェジピン非感受性Ca上昇および血管径減少を濃度依存的に抑制した。以上の結果からNI-VDCCを介するCa流人が、腸間膜細動脈の[Ca^<2+>]_iや筋緊張調節に重要な役割を果たしていることが明かとなった。 一方、NI-VDCCに対する種々の血管作動性物質の効果について検索を行い、ATPが低濃度ではG_s/cAMP/PKA系を介して増強作用を、高濃度ではG_<q/11>/PIP_2/PKC系を介して抑制効果を表すことが明らかになった。この実験結果は、自律神経終末や細胞障害により放出されるATPにより本NIVDCCの機能が調節されていることが強く示唆された。
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