研究課題/領域番号 |
12470021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
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研究分担者 |
竹村 晴夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20106462)
八田 愼一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60094223)
宮本 篤 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50166196)
久原 真 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80336403)
坂本 淳 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40336392)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | Kチャネル / ATP感受性Kチャネル / スルフォニル尿素受容体(SUR) / 脳 / 黒質 / ドーパミン細胞 / CA3 / Parkinson病 |
研究概要 |
脳黒質細胞に発現するATP-感受性Kチャネルのsubformを特異抗体によって同定した。ATP感受性Kチャネルはチャネルポアを形成するKir6サブユニットとその制御をおこなうSURサブユニットからなっているが、SURのsubformsを認識する特異抗体を作成し同定した。黒質にはSUR1,SUR2A, SUR28が発現していることが判明した。また、SUR28は、海馬CA3領域のプレシナプスに特異的に存在することを、synaptotagmin抗体との免疫2重染色によって確認した。また、SUR1は細胞体に分布することがわかった。我々の知る限り、シナプスターミナルにATP感受性Kチャネルが存在することは初めての報告である。一方、副腎髄質由来細胞であるPC12を用いて、SUR1-Kir6.2を強制発現させ、さらに、NGFで細胞を分化させneuritesを伸長させたあと、SUR1の分布を確認したところ、細胞体に発現していた。一方、SUR2AまたはSUR2BとKir6.2を強制発現させた場合にはneuritesにチャネルが分布していた。黒質のドーパミン細胞が死滅するParkinson病のモデルマウスのWeaverマウスでは、ドーパミン細胞がしだいに死滅していく。ところが、残存するドーパミン細胞がSUR1-Kir6.2を発現し、SUR2.Kir6.2を発現する細胞は死滅していることが報告された。我々の実験を元にすると、この原因として、SUR1-Kir6.2は細胞体に発現するため、細胞死を防ぎ、一方、SUR2を持つ細胞はneuritesにチャネルを発現するため、細胞死を防ぐことができないのではないかと考えられた。従って、SUR1-Kir6-2は細胞死を防ぐ機能を持った分子であり、その機能は細胞体に発現することによって表れることが考えられた。
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