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2000 年度 実績報告書

ネフロンのイオン輸送に対するホルモンと薬物との制御協関の細胞機序

研究課題

研究課題/領域番号 12470022
研究機関自治医科大学

研究代表者

今井 正  自治医科大学, 医学部, 教授 (40049010)

研究分担者 谷口 淳一  自治医科大学, 医学部, 講師 (90179838)
キーワードインスリン / CS-045 / 近位尿細管 / Na-HCO3共輸送 / PGE2受容体 / ノックアウトマウス / Na利尿 / 浮腫
研究概要

(1)CS-045の近位尿細管に対する作用
インスリンは尿細管に直接作用してNaの再吸収を促進することが知られている。CS-045(troglit azone)はインスリン抵抗性糖尿病に対して用いられるが、使用中に副作用として浮腫が起こることがある。この機序を明らかにするために、まずCS-045の尿細管に対する直接作用を検討した。ウサギの近位尿細管を単離灌流し、血管側に薬物を投与した。尿細管を灌流中に細胞内に電極を穿刺し、膜電位を測定した。浴液の重炭酸イオン濃度を25mMから2.5mMに急速に低下させるとNa-3HCO3共輸送形に活性を反映して、膜電位が脱分極する。CS-045の投与によって、この過分極が増大した。このことからCS-045は直接尿細管に作用してNa-3HCO3共輸送系を刺激することにより、近位尿細管のNa再吸収を促進することが明らかになった。このような作用が少なくとも一部はこの薬物のNa貯留作用に関連する可能性がある。インスリンとの相互作用に関しては引き続き検討中である。
(2)PGE2受容体欠損マウスを用いたホルモン・オータコイドの相互作用
プロスタグランディンは尿細管に作用してNa輸送を制御する可能性がある。最近、PGsのすべての受容体がクローニングされ、ノックアウトマウスが作成できるようになった。その腎機能を調べることにより、それら受容体の生理的な機能を明らかにすることが出る。そこでマウスを用いてクリアランス法を開発し、PGE2受容体ノックアウトの尿中Na排泄機能を調べた。さらに、新たに開発されたPGE2受容体拮抗薬を用いて外因性のPGE2に対する反応性を検討した。PGE2ノックアウトマウスは野生種とし比較して明らかに尿中Na排泄、尿量が低下していた。またPGE2によってNa排泄が増加するが、この増加はPGE2受容体拮抗薬によって抑制された。このことから内因性のPGE2がNa排泄に重要な役割を果たしていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tsuruoka S,Sugimoto K,Muto S,Nomiyama K,Fujimura A,Imai M: "Acute effect of cadmium-metallothionein on glucose and amino acid transpost across the apical membrane of the rabbit proximal tubule perfused in vitro."J Pharmacol Exp Ther. 292. 769-777 (2000)

  • [文献書誌] Ishibashi K,Suzuki M,Imai M: "Molecular cloning of a novel form (two-repeat) protein related to voltage-geted sodium and calcium channels."Biochem Biophys Res Commun :. 270. 370-376 (2000)

  • [文献書誌] Ohki G,Miyoshi T,Murata M,Ishibashi K,Imai M,Suzuki M: "A calcium-aactivated cation current by an alternatively spliced form of Trp3 in the heart."J Biol Chem. 275. 39055-39060 (2000)

  • [文献書誌] Tsuruoka S,Sugimoto K,Fujimura,Imai M,Asano Y,Muto S:: "P-glycoprotein-mediated drug secretion in mouse proximal tubule perused in vitro."J Am Soc Nephrol. 177-181 (2001)

  • [文献書誌] Muto S,Imai M,Asano Y: "Troglitazone stimulates basolateral rheogenic Na^+/HCO_3^- cotransport activity in rabbit proximal straight tubules"Exp.Nephrol. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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