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2000 年度 実績報告書

インスリンシグナル伝達の分子機構と糖尿病

研究課題

研究課題/領域番号 12470027
研究機関徳島大学

研究代表者

蛯名 洋介  徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)

研究分担者 小畑 利之  徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (40325296)
湯浅 智之  徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50304556)
岸 和弘  徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (70284320)
キーワードインスリン / GLUT4 / 三量体GタンパクGq / グルコース利用
研究概要

インスリンは代謝調節、細胞増殖因子として生体必須のホルモンであり、その作用メカニズムを解明することは医学・生物学上極めて重要な課題である。
インスリンは細胞増殖因子の一つであるが、血中グルコース濃度(血糖値)を下げることのできる生体内唯一のホルモンであると考えられている。インスリン刺激により骨格筋や脂肪組織に特異的に発現しているGLUT4が、細胞内膜分画から細胞表面上へトランスロケーションし、細胞内へのグルコース取り込みを促進し、血糖値を下げる。
培養細胞レベルではPDGFもPI3-キナーゼを活性化してGLUT4のトランスロケーションを引き起こすが、生体にPDGFを投与しても血糖値は下がらない。これはインスリン最大の標的組織である骨格筋には、GLUT4とそのシグナル伝達因子は存在しているが、PDGFレセプターが発現していないためであると考える。骨格筋にPDGFレセプターを発現させたトランスジェニックマウスを確立したので、今後PDGF投与で血糖値が下がるか否か検討する。
申請者はGLUT4のトランスロケーションはインスリンで制御されているのみならずノルエピネフィリンやブラジキニンなど三量体Gタンパクの1つであるGqとカップルしているレセプターを活性化しても起こることを見出し、生理的にも重要であることを報告した。そしてこれら生理活性物質でGqを活性化するとAMPキナーゼが活性化されることを見出した。すなわちインスリンは細胞内に取り込んだグルコースをanabolicに利用し、エネルギー源として貯蔵する。ノルエピネフィリンや、ブラジキニンで取り込まれたグルコースはこの臓器の機能維持のためのエネルギー源としてcatabolicに利用されると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Lihong Wang,Yousuke Ebina, et al.: "Gi-mediated translocation of GLUT4 is independent of p85/p110α and p110γ phosphoinositide 3-kinases but might involve the activation of Akt kinase"Biochem.J.. 345. 543-555 (2000)

  • [文献書誌] Kazuhiro Kishi,Yousuke Ebina, et al.: "AMP-activated protein kinase is activated by the stimulations of Gq-coupled receptors"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 276. 16-22 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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