研究課題/領域番号 |
12470029
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
川上 潔 自治医科大学, 医学部, 教授 (10161283)
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研究分担者 |
池田 啓子 自治医科大学, 医学部, 講師 (10265241)
佐藤 滋 自治医科大学, 医学部, 講師 (70306108)
尾崎 秀徳 自治医科大学, 医学部, 助手 (70296094)
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キーワード | Six4 / Six5二重変異マウス / Six1遺伝子変異マウス / 標的遺伝子 / Eya / Dach / K562細胞 / 血球分化 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究では、筋形成におけるSix遺伝子の役割と遺伝子ネットワークの解明及びDMの病態への関わりを明らかにすることを目的とする。本年度は次の5点についてSix遺伝子欠損マウスの解析、Sixタンパク質の標的遺伝子のスクリーニングおよびEyaとDachの分子機能の解析をとおして、下記の5点の実績を得た。 (1)Six4/Six5遺伝子二重変異マウスホモ個体のうち約半数は生後数時間以内に死亡するが、明らかな形態的組織学的異常は見いだせなかった。生き延びた個体は耳介の大きさが野生型に比して若干小さかった。 (2)Six1遺伝子変異マウスホモ個体は内耳、鼻、腎臓および胸腺の形成異常が観察され、出生直後にすべて死亡した。Six1がこれらの器官の形成に必須の役割を果たしていることが示唆された。 (3)Six5タンパク質の標的遺伝子として、中胚葉分化に伴って発現する転写因子やシグナル分子及びそのリセプター、また神経系で発現する転写因子やシグナル分子、さらに神経伝達物質の輸送体や受容体遺伝子などが同定された。Six5遺伝子はそれらの標的遺伝子群の制御を介して中胚葉由来の組織器官の形成や、神経組織の構築の発生にかかわることが示唆された。 (4)Gal4-Eyaタンパク質とDach1タンパク質を293細胞に共発現するとGal4結合部位を複数持つ人工プロモーターのレポーター遺伝子転写活性が著しく上昇した。この、転写活性化にはCBPが関与することを明らかにした。 (5)血球系細胞分化におけるSIX1遺伝子の発現は最終分化とともになくなるが、増殖中の分化細胞には発現がみとめられた。SIX1を強制発現する形質転換K562細胞を樹立し、SIX1を発現させたところ細胞の増殖性や、付着性に変化が見られた。その分子基盤を明確にするため、SIX1発現株と親株との遺伝子発現パターンの相違をマイクロアレーで分析したところ、インテグリンやサイトカイン等の遣伝子の発現増強が認められた。
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