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2001 年度 実績報告書

肝細胞がんの肝内転移の機構の解析と、診断、治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12470049
研究機関国立がんセンター

研究代表者

坂元 亨宇  国立がんセンター, 研究所・病理部, 部長 (40221270)

研究分担者 藤井 元  国立がんセンター, 研究所・病理部, 研究員 (90321877)
キーワード遺伝子発現解析 / 浸潤転移 / 肝細胞がん / DRH1 / VDUP1 / tetraspanin / CO-029
研究概要

異なる転移性を示す肝がん細胞株ならびに組織における遺伝子発現解析をDifferential Display法にて行い、同定された分子の浸潤・転移性への関与を、ヒトがん組織、転移モデルを用いて検討した。
肝がんの非腫瘍部で高発現を示すcloneは、全長を得たが、novel geneであり、DRH1(Down-regulated in HCC)と命名した。ヒトがん組織30症例の検討では、門脈浸潤陽性症例、肝内転移陽性症例、低分化症例で腫瘍部の発現が有意に低下する傾向を示した。DRH1は、染色体15qに位置し、HL-60細胞をビタミンD3で処理すると誘導される遺伝子として同定されたVDUP1とアミノ酸レベルで41%の相同性があることが示された。
肝がんで高発現を示すcloneとして同定された4回膜貫通型蛋白tetraspaninの一つCO-029は、同じファミリーに属しこれまで報告されているCD9,CD82(KAI1)とは異なり、腫瘍部で高発現を示すと共に、肉眼型が多結節癒合型を示す腫瘍、転移を有する腫瘍で発現が亢進していた。免疫組織学的にもその傾向が確認された。術後follow upが可能であった45症例においてCO-029蛋白発現陽性症例と陰性症例間での生存曲線を比較し、CO-029陽性症例では陰性症例に比し、生存、無再発生存ともに短い傾向を認めた(P=0.038,P=0.055)。同所性移植肝内転移モデルにて、転移性を示さないKIM-1細胞株に対して、CO-029遺伝子を安定的に導入し解析を行った。CO-029遺伝子導入株では、軽度ではあるが伝移性の獲得が認められ、CO-029の転移への関与が示された。しかし、他のtetraspaninで報告されているような、増殖性、基質への接着性に関しては、有意な変化は認められず、転移性獲得のメカニズムは明らかではなかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takamura M., Sakamoto M., et al.: "Inhibition of intrahepatic metastasis of human hepatocellular carcinoma by Rho-associated protc4n kinase inhibitor Y-27632."Hepatology. 33(3). 577-581 (2001)

  • [文献書誌] Yamamoto Y., Sakamoto., et al.: "Cloning and characterization of a novel gene, DRHJ, down-regulated in advanced human hepatocellular carcinoma."Clin. Cancer Res.. 7(2). 297-303 (2001)

  • [文献書誌] Kanetaka K., Sakamoto M., et al.: "Involvement of c-Src in carcinoma cell motility and metastasis."Jpn. J. Cancer Res.. 92(9). 941-946 (2001)

  • [文献書誌] Kanetaka K., Sakamoto M., et al.: "Overexpression of tetraspanin CO-029 in hepatocellular carcinoma."J. Hepatology. 35. 637-642 (2001)

  • [文献書誌] Gotoh M., Sakamoto M., et al.: "Overexpression of osteopontin in hepatocellular carcinoma."Pathol. Int.. 52(1). 19-24 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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