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2002 年度 実績報告書

ネズミマラリア原虫オオキネートの媒介蚊中腸細胞への侵入の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 12470060
研究機関三重大学

研究代表者

油田 正夫  三重大学, 医学部, 助手 (90293779)

研究分担者 安藤 勝彦  三重大学, 医学部, 助教授 (90024710)
鎮西 康雄  三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
キーワードマラリア / オオキネート / スポロゾイト / ハマダラ蚊 / 接着蛋白質 / MAEBL
研究概要

研究代表者は、逆遺伝学的手法を用いマラリア原虫の媒介蚊への感染・侵入機構を分子レベルで解明することを目的として研究をおこなってきた。これまでに以下の成果をあげた。
マラリア原虫オオキネートの蚊中腸細胞への接着、侵入に関わる新たな遺伝子を探索する目的で、オオキネートESTデーターベースを構築した。ここから蚊の中腸への感染に関係する可能性のある複数の遺伝子を新たに見い出した。またそれぞれの遺伝子についてノックアウト原虫を作成し、オオキネートの接着侵入運動における機能を推定した。その結果オオキネートが中腸に感染する過程で重要な役割を果たす新たな遺伝子の同定に成功した。この遺伝子は分泌性蛋白をコードし、オオキネートの蚊中腸細胞内での移動に重要な役割をはたしていた。またこのタンパク質はマラリア原虫の細胞侵入に中心的な役割を果たすオルガネラであるミクロネームに局在することを明らかにした。
マラリア原虫スポロゾイトの蚊唾液線への接着、侵入に関わる新たな遺伝子を探索する目的で、スポロゾイトESTデーターベースを構築した。このデーターベースを用いた発現遺伝子の解析により、MAEBLと呼ばれる接着分子様タンパク質が、唾液線侵入直前のスポロゾイトに大量に発現されていること、またミクロネームに局在していることを明らかにした。さらにMAEBLノックアウト原虫を作成し、この分子が蚊の唾液線感染に必須であることを明らかにした。これらの結果はMAEBLがスポロゾイトの唾液線接着タンパク質であることを強く示唆した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Toru Kariu, Masao Yuda, Kazuhiko Yano, Yasuo Chinzei: "MAEBL is essential for malarial sporozoite infection of the mosquito salivary gland"J. Exp. Med.. 195. 1317-1323 (2002)

  • [文献書誌] W.Limviroj, K.Yano, M.Yuda, K.Ando, Y.Chinzei: "Immuno-electron microscopic observation of Plasmodium berghei CTRP localization in the midgut of vector mosquito, Anopheles stephensi"J. Parasitol.. 88. 664-672 (2002)

  • [文献書誌] Haruhiko Isawa, Masao Yuda, Yuki Orito, Yasuo Chinzei: "Mosquito salivary protein inhibits activation of a contact system by bindingto factor XII and high molecular weight kininogen"J. Biol. Chem.. 277. 27651-27658 (2002)

  • [文献書誌] S.Iwanaga, M.Okada, H.Isawa, A.Morita, M.Yuda, Y.Chinzei: "Identification and characterization of novel salivary thrombin inhibitors from the ixodidae tick, Haemaphysalis longicornis"Eur. J. Biochem.. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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