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2000 年度 実績報告書

グラム陽性菌由来膜傷害性タンパクの生物活性と感染免疫・病態への関与

研究課題

研究課題/領域番号 12470063
研究機関京都大学

研究代表者

光山 正雄  京都大学, 医学研究科, 教授 (10117260)

研究分担者 河村 伊久雄  京都大学, 医学研究科, 助手 (20214695)
キーワード溶血性タンパク毒素 / リステリオリシン / ニューモリシン / サイトカイン
研究概要

各種グラム陽性球菌が産生するチオール活性化膜傷害性タンパク毒素が示す膜傷害活性と、我々が見い出したサイトカイン誘導活性につき、リステリア菌由来のlisteriolysin O(LLO)と肺炎球菌由來pneumolysin(PLO)の変異タンパクを作製し、構造活性相関を解析した。PLOのN末端やC末端側の一部欠失変異タンパクやドメイン1-3のみの標品、ドメイン4のみの標品などを、PCRによる遺伝子デザインに基づき大腸菌で発現させ、精製標品を作製した。C末端欠損標品では、欠損長に関わらず、固相化コレステロールへの結合能、細胞膜へのコレステロールを介した結合能が消失し、溶血活性やマクロファージ膜傷害活性が見られなかった。一方、N末端一部欠損標品やドメイン4のみの標品では、膜傷害活性は消失したが、コレステロールへの結合能は保持されていた。サイトカイン誘導活性はドメイン4には認めらず、N末端欠損標品では著明に低下した。しかし、C末端欠損標品やドメイン1-3標品など、膜傷害性が欠失した変異タンパクでは高い濃度で著明なサイトカイン誘導活性が見られた。以上の結果から、チオール活性化膜傷害性タンパクは、N末端側ドメインにサイトカイン誘導活性が、C末端側第4ドメインに膜傷害に関わるコレステロール結合活性が存在することが明らかとなった。また、スカベンジャーレセプター(SR)欠損マウスを用いた感染実験から、リステリア菌のマクロファージ内殺菌過程にSRが関与することが示唆される成績が得られた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Mitsuyama,Masao: "Overgrowth and translocation of Escherichia coli from intestineduring prolonged external feeding in rats."Journal of Gastroenterology. 35. 15-19 (2000)

  • [文献書誌] Mitsuyama,Masao: "Role of macrophage scanvenger receptors in response to Listeria monocytogenes infection in mice."American Journal of Pathology. 158. 179-188 (2001)

  • [文献書誌] Kawamura,Ikuo: "Essential role of domain 4 of pneumolysin from Streptococcus pneumoniae in cytolytic activity as determined by truncated proteins."Biochemical and Biophysical Research Communications. 281. 37-44 (2001)

  • [文献書誌] Mitsuyama,Masao: "Sporothrix schenkii thermo-tolerant mutants losing fatal visceral infectivity but remaining high cutaneous infectivity."Medical Mycology. 39(in press). (2001)

  • [文献書誌] 光山正雄: "細胞内寄生菌に対する防御免疫"日本ハンセン病学会雑誌. 69. 83-86 (2001)

  • [文献書誌] 光山正雄,河村伊久雄: "リステリアの膜傷害毒素と免疫系の相互作用"蛋白質核酸酵素. 46. 556-561 (2001)

  • [文献書誌] 光山正雄(分担執筆): "免疫2000-01(Molecular Medicine臨時増刊)"中山書店. 273 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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