研究概要 |
平成13年度研究計画にそって以下の研究成果を挙げた。 1)Actinobacillus actinomyce temcomitans (Aa) CDTを大腸菌でリコンビナント蛋白として発現し、His-tag配列を用いてCDTA, B, C複合体を活性コンポーネントとして精製することに成功した。さらにCDTA, B, Cに対して作成したウサギ抗体を用いてCDTBが複合体内部に存在すること、また精製したCDTAは、質量分析の結果、N末端アミノ酸51-58残基がプロセスされていることを明らかにした。蔗糖密度勾配超遠心膜分画法によってリコンビナントCDTA, B, Cともに外膜に局在することを明らかにした。以上の結果からCDTAがリポプロテインとして外膜に局在したのちに、CDTB, CDTCと複合体を形成し、分泌されることを明らかにした(投稿中)。 2)70株を越す歯周病原菌について細胞膨化活性測定ならびにdegenerated mixed primerを用いたCDT遺伝子PCR検索を行った結果、AaのみでCDT遺伝子の存在が確認できた。CDT活性は株間で大きな差が認められたので臨床公離株CDTB遺伝子領域について塩基配列を決定した所、非常に強いCPT活性を示す株のアミノ酸配列がY4株(最初に私どもがクローニングした株)と1残基のみ異なっていることを見出した。 3)多くの培養細胞を用いて精製AaCDTの作用を検討したところ、ほとんどの細胞がG2/M block、細胞膨化の後に死んでいくことを確認したが、その中で末梢リンパ球、MOLT4,Jurkat T cellにはアポトーシスを誘導することを見出した(投稿準備中)。 4)平成13年にアメリカの二つのグループが大腸菌とキャンピロバクターのCDTBがDNase活性を持つという報告した。それに基づき、私どもは精製AaCDTを用いてプラスミドpUC19を処理する方法を試みたが彼らの結果を再現できなかった。
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