研究概要 |
1.Actinobacillus actinomycetem comitans.(Aa)CDTを大腸菌でリコンビナント蛋白として精製することに成功した。またこの精製標品は、各CDTA, Cに対するウサギ抗体を用いた免疫沈降により沈降したので複合体を形成していることが明らかとなった。単独精製CDTBに効率良く反応する各CDTBに対するウサギ抗体を用いた免疫沈降CDT複合体は沈降しなかったので立体構造上CDTBは内部に存在することが示唆された。 2.CDTAは、精製標品のN末分析の結果、シグナル配列は切断された後、さらにN末端アミノ酸がプロセスされていることを明らかにした。また脂肪酸取込み実験からCDTAは脂質修飾されることを明らかにした。 3.蔗糖密度勾配超遠心分画法によってリコンビナントCDTA, B, Cともに外膜に局在することからCDTAがリポプロテインとして外膜に局在後、CDTB, CDTCと複合体を形成し、分泌されると推測される。 4.種々の歯周病原菌において、AaのみでCDT遺伝子の存在が確認できた。CDT活性は46株中株間で大きな差が認められ、非常に強いCDT活性を示す3株が認められた。 5.種々の培養細胞を用いて精製AaCDTの作用したところ、G2/M block、細胞膨化の後に死んでいくことを確認したが、その中で末梢リンパ球、MOLT4,Jurkat T cellにはアポトーシスを誘導することを見出した。CDT誘導アポトーシスの細胞内シグナル伝達系の中心を担うカスペースについて阻害剤を用いて検索したところ、カスペース2と7の関与が示唆された。
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