研究課題/領域番号 |
12470073
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
鶴見 達也 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 部長 (90172072)
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研究分担者 |
藤田 雅俊 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (30270713)
中村 普武 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 室長 (30109938)
葛島 清隆 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 室長 (30311442)
横山 直明 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (80301802)
中洲 章 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (50198107)
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キーワード | DNA複製 / Epstein-Barrウイルス / DNAポリメラーゼ / ヘリカーゼ / プライマーゼ |
研究概要 |
EBV関連腫瘍細胞の核内では数十コピーのウイルスゲノムがヒストン蛋白質と結合したヌクレオゾームとして存在しS期に同調して1回複製されることから、染色体DNAと同じようにMCM蛋白質群あるいはCDC6蛋白質,ORC蛋白質複合体等染色体複製開始の制御に関わる蛋白質がEBVゲノムと相互作用することが考えられるようになった。その基礎的解析として上記蛋白質の細胞周期を通した動態を検討した。我々はhMCM蛋白質が6量体を形成すること、又MCM複合体の染色体への結合はおそらくリン酸化によりcdc2によって負に制御されることを示した。hCDC6の蛋白質の量は細胞周期を通じてそれほど変化せずG1期では核に検出される。hCDC6の一部は核構造に強く結合しS期では大部分が細胞質に検出される。しかし核構造に結合したhCDC6の量はほとんど変わらず、G2/M期ではcdc2/cyclinBによって高リン酸化される。hCDC6はhMCMとは異なる制御を受けておりEBV染色体上の結合部位も異なると考えられる。 一方、Epstein-Barrウイルス産生状態においては複製開始領域OriLytから複製は始まり少なくとも複製後期にはローリングサークル型複製様式によりウイルスゲノムは複製される。このウイルスゲノム複製伸長を担うウイルス蛋白質としてBALF5蛋白質、BMRF1蛋白質、BALF2蛋白質、BBLF4蛋白質、BSLF1蛋白質、BBLF2/3蛋白質が知られている。DNAヘリカーゼ、DNAプライマーゼ活性を担うと考えられるBBLF4蛋白質、BSLF1蛋白質、BBLF2/3蛋白質は感染細胞内で複合体を形成していることを明らかにした。また各蛋白質間でも複合体形成をすることが確認できた。さらにEBVDNAポリメラーゼホロ酵素とこのヘリカーゼ/プライマーゼ複合体が相互作用していることを証明した。EBV複製フォークでこれらの複製蛋白質はウイルスDNA複製装置を形成してローリングサークル型複製を行なっていると想定される。
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