研究課題/領域番号 |
12470079
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 禎三 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20134223)
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研究分担者 |
高橋 実 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00285024)
松下 操 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00165812)
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キーワード | 自然免疫 / 補体 / レクチン経路 / フィコリン / MASP / 遺伝子改変マウス |
研究概要 |
本研究は、フィコリンの生体内での役割を明らかにするものであり、平成12年度には以下の成果が得られた。 A.フィコリンによるレクチン経路活性化:ヒト血清からN-アセチルグルコサミン結合カラムと抗MBLカラムを用いてMBLフリーのFicolin/P35を精製し、このFicolin/P35にMASP-1/MASP-2/sMAPが結合していることをウエスタンブロッティングで明らかにした。血清中においてもFicolin/P35がMASP-1/MASP-2/sMAPと結合しており、補体系を活性化することを溶血活性で明らかにした。これらの結果は、MBLに加えてフィコリンがレクチン経路を活性化することを明らかにし、J.ImmunolのCutting Edgeに掲載された。 B.フィコリン欠損マウスの作製:マウスフィコリンのフィブリノーゲン様構造をコードする遺伝子のエクソンを含むゲノムを標的部位としてネオマイシン遺伝子による置換型の相同組み換えをするためのベクターを構築した。これをES細胞に形質導入し、相同組み換えを起こしたES細胞をすでに得ている。現在、このES細胞をマウス胚盤胞へ入れ込み、仮親からキメラマウスを産ませているところで、今後、キメラマウスを交配することで、ヘテロ欠損マウス、更にホモ欠損マウスを作製する。 C.下等動物におけるレクチン経路の解析:マボヤ体液からN-アセチルグルコサミン結合カラムを用いて、フィコリンに相当するレクチンを2種類精製した。精製したフィコリン様レクチンをV8プロテアーゼで切断し、数カ所の部分アミノ酸配列をもとにPCRを行い、PCRで得られた産物をプローブとしてcDNAのクローニングを行った結果4種類のフィコリンが得られ、すでに得られているマボヤMBL様レクチンとは異なり、コラーゲン構造を有することが判明した(J.Biol.Chem.投稿中)。
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