• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

抗体の適応的進化の能力に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12470080
研究機関東京理科大学

研究代表者

東 隆親  東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (00028234)

キーワード体細胞突然変異 / Polκ / 抗原受容体
研究概要

抗体の適応的進化は二次免疫器官の胚中心で発現する体細胞突然変異と抗原による選択によって進行する。体細胞突然変異発現のメカニズムはまだ不明な点が多いが、2つの段階から成っていると考えられている。第一段階はDNAにlesionを導入する段階であり、第二段階はerror-proneDNAポリメラーゼが関与する段階である。proneDNAポリメラーゼとして幾つかの種類があるが、今回の実験ではPolκに着目して胚操作により遺伝子欠損マウス(Polκ^<-/->)を作製し、このマウスにおける体細胞突然変異の頻度を比較することにより、Polκの寄与を見積もることにした。
Polκ^<-/->をT細胞依存性抗原である(4-hydroxy-3-nitrophenyl)acetyl (NP)ハプテン化ニワトリガンマグロブリン(CGG)で免疫した。免疫マウスの抗体のアフィニティマチュレーションが起きていることをELISAで確認後、胚中心B細胞をFACSで選別し、mRNAを調製しRT-PCR法でcDNAを増幅してクローン化した。VH-D-J遺伝子の塩基配列を決定し、これを野性型マウスと比較した。その結果、体細胞突然変異の頻度、位置、塩基置摸の種類等いずれにも野性型とノックアウトマウスとの間に差を認めることができなかった。このことからPolκは体細胞突然変異発現に必須でないことが判明した。
一方、抗原刺激を受けたB細胞は胚中心で突然変異を発現し記憶細胞あるいは、長期生存可能な形質細胞として再度の抗原の侵入に備えると考えられている。我々はこのような細胞のレセプター(BCR)の抗原に対するアフィニティを簡便n見積もる試薬を開発して実際にB細胞ハイブリドーマに適用してその有効性を示すことができた。今後は、この試薬を用いてBCRのアフィニティ変化を指標に免疫の動的な変化を調べる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Shimizu, Y.Shinkai, T.Ogi, H.Ohmori, T.Azuma: "The absence of DNA polymerase κ does not affect the somatic hypermutation of mouse immunoglobulin heavy chain gene"Immunological letters. (in press).

  • [文献書誌] T.Shimizu, M.Oda, T.Azuma: "Estimation of the relative affinity of B cell receptor by flow cytometry"Journal Immunological Methods. (in press).

  • [文献書誌] T.Sagawa, M.Oda, Ishimura, K.Furukawa, T.Azuma: "Thermodynamic and kinetic aspects of antibody evolution during the immune response to hanten"Molecular Immunology. 39. 801-808 (2003)

  • [文献書誌] M.Oda, H.Kozono, H.Mori, T.Azuma: "Evidence of allosteric conformational changes in the antibody constant region upon antigen binding"International Immunology. 15. 417-426 (2003)

  • [文献書誌] E.Sato, K.Hirahara, Y.Wzada, T.Yoshimori, T.Azuma, K.Matuoka: "Chronic inflammation in skin can be induced in IgG transgenic mice by a single challenge of multivalent antigen"Journal Allergy Clinical Immunology. 111. 143-148 (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi