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2000 年度 実績報告書

無機砒素曝露の次世代影響

研究課題

研究課題/領域番号 12470082
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 知保  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70220902)

研究分担者 中澤 港  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40251227)
榎本 秀一  理化学研究所, 加速器基盤研究部, 先任協力員(研究職) (10271553)
佐藤 洋  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
キーワード砒素 / 周産期曝露 / 発達毒性 / 神経毒性 / 行動毒性 / マルチトレーサー / セレン欠乏
研究概要

周産期砒素曝露条件の確立を目標に,マウス妊娠初期から分娩直前までの間,連日砒素投与を行った.その結果,母体への毒性が明らかとなる投与量の1/10量において,胎仔組織には砒素が蓄積しており,母体では肝が脳に比して著しく高い砒素濃度を示すのに対し,胎仔では両者の濃度はほぼ等しく母体の脳程度であることを見いだした.このような長期曝露でのkineticsは,それ自体が新たな知見であると同時に,胎仔における砒素のhandlingが成獣のそれとは異なることを示している.母体への毒性量の1/3量では,胎仔・新生仔の毒性を古典的指標(体重増加抑制,外表奇形)で評価する限りは影響を認めなかった.これらの結果より,長期にわたる曝露条件のシミュレーションとなるような,胎仔脳には有意に砒素が蓄積され,かつgrossな毒性が生じない投与プロトコルが確立された.来年度以降は,より鋭敏かつ砒素の毒性機序を考慮した影響検索を行う予定である.免疫組織化学については,酸化ストレスに反応するドパミン伝達系評価の条件設定を行った.行動観察については,オープンフィールド,感覚-運動協調機能(ロタロッド),モリス水迷路を用い,発達のプロフィールについて基礎的検討を行った.マルチトレーサーによる代謝評価については,砒素および関連微量元素の動態把握法の基礎条件を検討した.特に,妊娠期よりセレン欠乏とした動物では,胎仔脳への砒素の急性期の取り込みが有意に増加することを見いだした.現在,妊娠前よりセレン欠乏とし,砒素に慢性的に曝露した場合の胎仔脳への砒素取り込みを検討している.また,次年度以降は,組織中砒素の形態別分析を行い,機能的影響との関連を明らかにしていく.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Watanabe C et al.: "Arsenic contamination of groundwater : a Bangladesh survey."RIKEN Review. 36(in press).

  • [文献書誌] Satoh,H et al.: "Comparison of neurobehavioral changes in three inbred strains of mice prenatally exposed to methylmercury."26th International Congress on Occupational Health. (in press).

  • [文献書誌] Hirunuma R and Enomoto S.: "Application of the multitracer technique : Effect of selenium on the distribution of trace elements in rat."RIKEN Review. 36(in press).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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