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2002 年度 実績報告書

無機砒素曝露の次世代影響

研究課題

研究課題/領域番号 12470082
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 知保  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70220902)

研究分担者 吉永 淳  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70222396)
榎本 秀一  理化学研究所, 加速器基盤研究部, 先任研究員 (10271553)
佐藤 洋  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
キーワードヒ素 / セレン / 周産期曝露 / 行動影響 / グルタチオンペルオキシダーゼ / チオレドキシンレダクターゼ / モリス迷路 / 学習機能
研究概要

1.前年度,妊娠期の無機砒素曝露が母仔のセレン代謝に影響することが明らかになり、セレン欠乏状態ではその影響が増強されることが予想された。そこで,妊娠初期よりセレン欠乏餌を摂取させたマウスに、前年度と同様,妊娠7〜16日に無機砒素(7.5mg/kg/day)を経口投与,妊娠17日目に解剖し、母仔の肝、脳および胎盤において、砒素とセレン濃度、セレン酵素(セレン依存性グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)およびチオレドキシンレダクターゼ(TRxR))活性を測定した。その結果、セレン欠乏群において,組織中の砒素濃度は母仔ともに充足群に比べて高く、母体肝および胎仔脳ではその差が有意であった。砒素投与により,組織中セレン濃度,ならびにGPx, TRxR活性に影響があらわれるが,母体組織においては,いずれの変化もセレン欠乏による修飾を認めなかった.一方、胎仔ではセレン欠乏群においてのみ,砒素投与による脳GPxおよびTRxR活性の低下、肝TRxR活性の低下を認めた.胎盤では砒素投与によるTRxR活性への影響が,セレン充足群では促進、欠乏群では抑制と,セレン栄養の状態によって異なる結果を得た.以上より,セレン欠乏条件では1)ヒ素の蓄積が促進され,したがって毒性も増強される可能性が高いこと,2)ヒ素によるセレン代謝への影響が,胎仔においてのみ増強されること,の2点が初めて示された.
2.行動影響としては,前年度から引き続いて実施している妊娠期を通じての曝露モデル(飲料水に10あるいは100ppmでAsを添加)を用い,モリス水迷路による記憶学習能力の評価を実施した.新生仔においては,脳内ヒ素濃度にオス>メスという性差が認められた.また,オス新生仔脳ではセロトニン代謝物である5-HIAAの濃度増加を認めた.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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