研究課題/領域番号 |
12470085
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
芳原 達也 山口大学, 医学部, 教授 (10116501)
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研究分担者 |
國次 一郎 山口大学, 医学部, 助手 (80314798)
奥田 昌之 山口大学, 医学部, 助教授 (50274171)
篠田 晃 山口大学, 医学部, 教授 (40192108)
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キーワード | 細胞内カルシウム / トリクロロエチレン / ブロモプロパン / Fluo-3 / 脊髄後根神経節細胞 |
研究概要 |
細胞内カルシウムの濃度は、細胞外カルシウムイオンのほかに、細胞内カルシウム貯蔵部位、たとえばERから、細胞内シグナリングを経てカルシウムの放出と再吸収を起こすことによって調整されている。昨年度調整を行った細胞内Ca^<2+>測定装置を用いて、ラット脊髄後根神経節細胞内のCa^<2+>濃度の上昇を抑制することを明らかにした。 まず、細胞内の遊離Ca^<2+>ストアを刺激するカフェインあるいは、脊髄後根神経節細胞にレセプターがあると考えられるATPを用いて、トリクロロエチレンおよび風呂もプロパンによる細胞内Ca^<2+>濃度の変化を観察した。細胞内カルシウムをカルシウムイオン蛍光指示薬Fluo-3を用いて観測した。カフェインを投与すると、細胞内カルシウムが上昇するが、これがトリクロロエチレンで抑制された。濃度の依存的であるが、細胞外カルシウムイオン流入によるカルシウム電流の抑制ほどではなかった。細胞内カルシウムイオンの測定では、10^<-3>〜10^<-4>mole/Lで70〜80%の抑制を示すが、それ以下の濃度では抑制がはっきりしなかった。一方、カルシウム電流の抑制は、同程度の濃度付近にIC50があった。その他、1-ブロモプロパン、2-ブロモプロパンでも同様に結果を得た。1-ブロモプロパンの方が抑制が強いようであった。これらの結果は、我々が以前パッチクランプを用いて観察したカルシウム電流の抑制と比較すると、細胞内Ca^<+2>上昇の抑制は小さいようであた。これらの有機溶剤は、細胞膜、細胞内に効果があるようであるが急性毒性では細胞膜への影響のほうが強そうである。
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