研究課題/領域番号 |
12470087
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上田 厚 熊本大学, 医学部, 教授 (10040198)
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研究分担者 |
大森 昭子 熊本大学, 医学部, 助手 (60040193)
原田 幸一 熊本大学, 医学部, 講師 (00094029)
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キーワード | 農作業関連アレルギー / 真菌 / 動物・植物 / 農薬 / DNA解析 / モルモットマキシミゼーションテスト / 吸入曝露実験 / 免疫毒性 |
研究概要 |
我々は、本年度研究として、(1)農作業関連アレルギー発生の実態と要因を解析するのための方法論の検討、(2)農作業環境における感作性物質の反応予知とその量-反応関係の検出に関するモデル実験系の開発の2課題を実施した。(1)については、前年度研究で作成した症例収集のための調査票を改良し、簡便かつ正確に農作業関連アレルギー発生の実態と要因を把握する調査票(簡易版)を作成し、全国の関連医療機関を対象に、調査を実施した。また、農作業現場における作業と環境調査および抗原物質の採集、抽出、精製に関する系統的なフィールド調査システムの開発を試みた。そのなかで、作業環境中抗原物質の採集と定性におけるバーカード個人サンプラーの有用性および環境中真菌の採集、分離培養、同定におけるITS-5.8rDNA解析の有効性を確かめた。(2)については、前回の科研費研究(平成7〜9年度No.07457097)にて開発した真菌抗原の採集・分離・精製とその点鼻的反復投与法を改良し、新たな呼吸器アレルギーにおける吸入曝露実験モデルを検討した。また、遅延型皮膚アレルギーについては、モルモツトマキシミゼーション法の適用を前年度に引き続き検討し、アルストロメリア皮膚炎の本態の解明や農薬の抗原性の評価に有用であることを確かめた。これらの成果をふまえて、農作業関連アレルギーの予防対策につながる系統的な予知、予測システムを考案し、トロント大学(カナダ)を訪問し、関連研究者と検討した。次年度は、本年度(1)(2)実施した研究をさらに深め、農作業関連性アレルギーの実態とその要因を疫学的に明らかにするとともに、抗原の分離精製の技術を開発し、抗原性の評価に関する吸入曝露実験系の改良、免疫毒性評価の手法の開発を図り、これらを用いた系統的な農作業関連アレルギーの予知、予測システムを完成させ、それを効果的に進めるためのアレルギーセンター設立構想を提案する予定である。
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