研究課題/領域番号 |
12470094
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研究機関 | 国立健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
田中 平三 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 理事長 (70047215)
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研究分担者 |
伊達 ちぐさ 大阪市立大学, 医学部・公衆衛生学教室, 助教授 (60047389)
吉池 信男 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 研究企画・評価主幹, 主幹 (80240232)
横山 徹爾 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所・疫学, 助手 (70282770)
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キーワード | 脳卒中 / 血圧 / 脂質代謝 / 遺伝子 / コレステロールエステル転送蛋白 / 疫学 |
研究概要 |
兵庫県北西部に位置するS郡の40〜69歳の全住民から、町・性別・年齢階級によって層化無作為抽出し、男性358名と女性393名が本研究に参加した。書面によるインフォームドコンセントを得たのちに、採血及び問診(喫煙、飲酒、身体活動習慣、高脂血症治療の有無)を行った。抗高脂血症薬服用者・非空腹時採血だった者、血球からDNAを抽出することができなかった者を除外した男性258名、女性272名を解析対象とした。白血球よりDNAを抽出し、PCR法によりTaqI多型を分析した。 男女間でA2アリルとB2アリルの頻度に有意な差はなかった。TaqIAとTaqIBの間に有意な関連があった(D=0.02,P<0.001)。TaqIA遺伝子型とTC、HDL-C、LDL-C、TG濃度およびTC/HDL-C比には、男女とも有意な関連はなかった。男性では、B2アリルがHDL-C高値と有意に関連していた。女性では、B1B1、B1B2、B2B2の順にHDL-Cが高くなるトレンドがあったが有意ではなかった。CETP-TaqIB遺伝子型とLDL-C、TG、TC/HDL-C比との間に男女とも有意な関連はなかった。男性でTaqIB遺伝子型とTCレベルに有意な関連があった。重回帰を用いた解析では、男性で、B1B2とB2B2はHDL-Cに独立に影響していた。BMI、喫煙、飲酒、TGも、HDL-Cと独立に関連していた。女性で、B2B2でHDL-Cが高かったが有意ではなく(P=O.06)、BMI、飲酒、TGが有意に関連していた。B1B2はHDL-Cの変動のO,6%を説明していた。 我々は、日本の地域住民を対象として、CETP-TaqI多型と血清脂質・リポ蛋白レベルとの関連を初めて明らかにした。TaqIB多型におけるB2B2遺伝子型は、いくつかの環境要因で調整しても、特に男性において、独立にHDL-C濃度と関連していた。また、TaqIB多型は日本人においても頻度の高い変異であることが明らかになった。TaqIA遺伝子型と血清脂質・リポ蛋白レベルとの関連は明らかではなかった。
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