研究課題/領域番号 |
12470097
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
須那 滋 香川医科大学, 医学部, 助手 (40253265)
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研究分担者 |
福永 一郎 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30218945)
浅川 冨美雪 倉敷芸術科学大学, 教養学部, 教授 (20159362)
實成 文彦 香川医科大学, 医学部, 教授 (60127561)
北窓 隆子 香川医科大学, 医学部, 講師 (20304579)
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キーワード | 血中ベンゼン / VOC / ポータブルGC / ヘッドスペース法 |
研究概要 |
本年度は、市販携帯型ガスクロマトグラフ計(Voyager,Perkin-Elmer.co ltd)と申請者らが開発したシリンジヘッドスペース法を組み合わせた体液中VOC濃度測定法を新たに開発し、オンサイトVOC生物学的曝露モニタリング法として確立することを目的として、血中Benzene測定を主課題にして検討を加えた。 分析方法:Benzene曝露のない健常者血液に等量のBenzene標準液や内部標準液(Ethylbenzene 200ppb)を添加した血液試料50μlを用い、室温(20-24℃)条件下でガスタイトシリンジ内で気液平衡を行うことにより、分析の至適条件を求めた。分析装置:ポータブルGC(Voyager,Perkin-Elmer.co ltd) 結果と考察:今回室温(20-24℃)条件下でガスタイトシリンジ内で気液平衡を行った。シリンジ内の気相Benzene濃度は5〜15分の間ほぼ一定であった。Ethylbenzeneを内部標準とし、Benzene添加血液で作成した検量線は5〜40ppbで良好な直線性(n=5、r=0.998)を示した。また、Benzene10ppb添加血液による繰り返し精度はCV4.8%(n=5)であった。ポータブルGCの検出器はPIDであるが、通常のヘッドスペース法による水溶液中Benzeneの検出下限は0.02ppbと非常に高感度であり、またシリンジヘッドスペース法においても血中Benzeneの検出下限は血中濃度で0.1ppb程度と高感度であった。職業的Benzene曝露のない健常者の血液からは0.5〜1ppbのBenzeneが検出されたが、血液を加えないBlankからも同程度のBenzeneが検出され、ガラスウールなどからの、コンタミネーションが考えられた。正常人のレベルを検出するにはコンタミネーションを十分に取り除く必要があり、この点については今後さらに検討していきたい。
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