研究課題/領域番号 |
12470099
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
二塚 信 熊本大学, 医学部, 教授 (80040195)
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研究分担者 |
永野 恵 熊本大学, 医学部, 助手 (10136723)
北野 隆雄 熊本大学, 医学部, 助手 (50214804)
稲岡 司 熊本大学, 医学部, 助教授 (60176386)
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キーワード | 水俣病認定患者 / 生活と健康 / 郵送調査 / ADL / QOL |
研究概要 |
1995年5月現在生存している認定患者917名全員を対象に「健康状態に関する調査」、日を改めて「生活実態調査」を郵送法により行った。回収率はそれぞれ45.4%(416名)、38.5%(353名)で、何れかに回答したものは68.4%(627名)であった。97.4%が何らかの疾病で受療中で、入院・入園が18.0%、通院が76.3%、往診11.1%、ハリ・灸27.6%、あんま・マッサージ27.2%、歯科治療12.3%であった。健康状態の自己評価では非常に悪い10.6%、悪い61.1%で、良いは0.5%であった。ADLに関して自立と判断しているものは意思疎通82.2%、歩行79.8%、食事78.5%、排泄78.2%、衣服着脱75.1%、入浴71.9%で、完全自立と判断しているものは63.2%であった。年齢別には75歳以上の後期高齢者と49歳以下の胎児性・小児水俣病が自立傾向が低かった。家族形態は一人暮しが10.8%、配偶者と二人暮しが33.4%、家族・親族との同居が55.8%で、住居形態は85.8%が持ち家であった。主な収入源は77.8%が水俣病補償による年金であった。現在、あるいは将来介護が必要になったときに介護をしてくれる者がいるのは66.6%、いないのは18.4%で、48.4%が在宅での介護を希望していた。 現在の保健・福祉サービスの利用状況は明水園14.0%、日帰りリハ(ディサービス)10.3%等で、今後の利用希望としては在宅介護支援センター68.2%、訪問看護サービス60.1%等が比較的高率であった。 このように、在宅の認定患者はADLは比較的良好であるが、健康不安が強く、医療へのコンプライアンスは強いが、在宅保健・福祉サービスの利用状況は低いという実態が伺えた。
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