研究概要 |
(1):アスベスト及マクロファージ系cell line及び肺胞マクロファージとの培養において、一酸化窒素(NO)合成酵素の誘導によるNO産生と活性酸素O_2の生成増加を明らかにした。 (2):ラット気管内へのアスベスト注入により、(1)と同様の所見が生ずることを認めた。 (3):(1),(2)において細胞内グルタチオンが有意に減少することを明らかにした。 (4):(1)〜(3)において、NOとグルタチオン等の遊離-SHが反応して、RS-NOもしくはGS-NO形成を増加した。(3)の知見と共に、酸化ストレスが増強することを明らかにした。 (5):RS-NO及びGS-NOの蛍光試薬を用いた簡便な我々独自の測定法を確立した。この方法で、生物試料溶液での測定が可能となり、その貢献するところは大である。 (6):アスベストやその代替線維の暴露をうけたマクロファージは、in vivo及びin vitroでTNF-α,IL-1β,IL-6等々の炎症性サイトカイン産生を増加させ、TGF-β産生に伴う肺線維化過程の大略を明らかにできた。
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