• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

アルコール代謝に影響する新たな遺伝因子に関する発展的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12470106
研究機関筑波大学

研究代表者

原田 勝二  筑波大学, 社会医学系, 助教授 (60086618)

研究分担者 中村 二郎  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10110751)
野村 文夫  千葉大学, 医学部, 教授 (80164739)
キーワードALDH2 / Promoter / Alcoholism / Association Analysis / 転写因子 / 飲酒量 / 遺伝的多型 / 人種差
研究概要

アルコールの代謝能の個人差に関与する新たな遺伝的因子を探求するため、アルコール脱水素酵素2(ADH2)およびALDH2遺伝子型をマッチングさせた群につき、ADH2およびALDH2転写制御領域の多型とそれぞれに対応するmRNAの量的相関を調べると共に、飲酒後のアルコールとアセトアルデヒド濃度を測定する。とくにALDH2転写制御領域の多型については月平均飲酒量との相関について調べるため集団調査を行つった。
1)DSM-IV基準により診断された男性アルコール依存症患者144名および健常対照群165名につきALDH2gene5′上流600bpをPCR法、SSCP法、PCR-direct sequencing法により分析した。MAZ binding cis-element部位の多型性変異(-357G/A)は、ALDH2^*1ホモ接合型の間で比較した場合、アルコール依存症患者ではGalleleが対照群より有意に高い頻度で検出された(χ^2=6.40,p=0.041)。
2)-357Gのホモ接合型GGおよびGA,AA型における、転写能の違いを比較するため、末梢血中の有核細胞から抽出したmRNAをRT-PCR法にて測定したところ、β-actin cDNAとの比はGG:1.65,GA:1.05,AA:0.90となりGGはAAより有意に高い値を示した。実際、この遺伝子型と飲酒量をALDH2^*1ホモ接合型をもつ人の間で比較すると、G型遺伝子をもつグループ(GG+GA)は18.30リットル(年/人)となり、A型ホモ接合型は10.15リットル(年/人)となり、両群の間に有意差があった。つまり、特定の遺伝子型、すなわち、ALDH2^*1ホモ接合型でしかもALDH2 promoter領域の-357locusがGGである日本人は、アルコール消費量の高いグループであると推定される。
3)ALDH2転写制御領域における-357locusの多型はヨーロッパ白人やアフリカ黒人においても多型性を示したが、AAが日本人に比較し有意に多かった。

研究成果

(7件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] Harada,S and Agarwal D.P.: "Metabolic and Ethnic Determinants of Alcohol Drinking Habits and Vulnerability to Alcohol -Related Disorders"Alcohol Clin Exp Res,. 25.(in press). (2001)

  • [文献書誌] Okubo,T.,Harada,S.,Higuchi,S.: "Genetic polymorphism of the CCK gene in patients with alcohol withdrawal symptoms."Alcohol Clin Exp Res. 24. 2-4 (2000)

  • [文献書誌] 原田勝二: "アルコールと人類遺伝学-ALDH2多型と飲酒量に関する遺伝生態学的研究."日ア精神誌. 7. 39-43 (2000)

  • [文献書誌] Harada,S: "Genetic variability in alcohol metabolism and drinking habits in Japanese."Alcohol Clin Exp Res.. 24(5). 201-201 (2000)

  • [文献書誌] 糸賀栄,野村文夫,原田勝二: "CYP2E1遺伝子5'末端上流反復配列の新たな多型と飲酒量との相関."アルコールと医学生物学. 20. 66-69 (2000)

  • [文献書誌] Harada,S.,Couzigou,P.,Courtault-Labeyrie,C.: ": Polymorphism for the promoter region of the ALDH2 gene in French Caucasians and African vatives."Alcohol Clin Exp Res. 24(5). 173-173 (2000)

  • [文献書誌] 原田勝二 編.: "アルコールと医学生物学-アルコール関連障害のリスク因子vol20"東洋書店,東京,. 180 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi