研究分担者 |
福永 龍繁 三重大学, 医学部, 教授 (70156800)
中園 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (30108287)
吉岡 尚文 秋田大学, 医学部, 教授 (80108935)
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
前田 均 大阪市立大学, 医学部, 教授 (20135049)
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研究概要 |
わが国では,乳幼児の突然死に対し安易に乳幼児突然死症候群(SIDS)と診断され,特に剖検せず,あるいは剖検所見を無視したSIDS診断も多い.このような状況から脱却するために,本研究班は文科省科研費の補助のもとに,平成11年3月「SIDS診断の法医病理学的原則に関する提言」を報告した.この提言を検証すること及び提言に従ってSIDSと診断された症例の病理組織学的所見の評価を行う事を目的として研究を継続中である.即ち,研究分担者の剖検例を過去5年分収集し,一方で前回の研究で収集された乳幼児突然死剖検例を提言に従ってretrospectiveに再検討している.この結果,死亡時の状況が不明な場合が多いことが浮かび上がっており,改めてdeath scene investigation(DSI)の重要性が示唆された.又,今後剖検される乳幼児突然死例についてもprospectiveに提言に従って症例を収集している.また,提言に従ってSIDSと診断された剖検例の病理形態学的所見を詳細に分析し,提言に病理組織学的診断基準を盛り込めるかについて検討している.更に,実際に裁判例について提言内容の側面から積極的に鑑定や意見書等で参加している.今年度の基本的研究としては,わが国で問題となるSIDSか窒息かの問題について,窒息死の免疫組織化学的診断法として,肺サーファクタント関連タンパク質Aやユビキニンをマーカーとして検討した.乳幼児突然死と胸腺機能,乳幼児突然死と虐待等についても継続して検討中である.
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