研究課題/領域番号 |
12470111
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渋谷 彰 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (80216027)
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研究分担者 |
岩間 厚志 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70244126)
渋谷 和子 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00302406)
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キーワード | 接着分子 / DNAM-1 / LFA-1 / キラーリンパ球 / 免疫制御 |
研究概要 |
β2インテグリンファミリー接着分子であるLFA-1は、生体防御機構において最も中心的な役割をになっているキラーTリンパ球の活性化にもっとも重要な接着分子である。しかし、LFA-1を介する活性化シグナル伝達機構の詳細については未解決の問題であった。1996年、申請者らはキラーリンパ球の細胞傷害機構に関与するヒトの新規の接着分子DNAM-1を見い出し、遺伝子クローニングによりその一次構造を決定した(Immunity1996)。さらに申請者らは、キラーTリンパ球が抗原を認識するとLFA-1とDNAM-1の2つの接着分子が物理的に会合し、複合体を形成することを初めて見いだし、DNAM-1がLFA-1のシグナルトランスデューサーであることを明らかにした(Immunity1999)。本研究では、キラーリンパ球の活性化機構を明らかにし、その免疫制御法を開発することを目的としてLFA-1/DNAM-1複合体がどのように標的細胞と結合し、活性化シグナルを伝えるかという課題、中でもまだ明らかになっていない標的細胞に発現するDNAM-1のリガンドを同定することを試みた。DNAM-1と免疫グロブリンFcドメインとの融合蛋白を作製し、これを用いて種々の組織由来の細胞のDNAM-1リガンドの発現を確認したところ、血管内皮細胞や腸管上皮細胞などにもっとも多く発現を認めた。そこでこれらの細胞からCDNAライブラリーを作製し、発現クローニングを試みた。発現クローニングにあたっては我々が開発したAdhesion Assay,DNAM-1/Fc融合蛋白をプローブとした方法などを試みたが未だ成功にいたっていない。DNAM-1リガンドはへテロダイマーである可能性を考え、現在DNAM-1リガンドの蛋白精製を行っている。
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