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2001 年度 実績報告書

新たな消化管ペプチドグアニリンとグレーリンによる消化管上皮機能の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12470123
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

中里 雅光  宮崎医科大学, 医学部, 講師 (10180267)

研究分担者 寒川 賢治  国立循環器病センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
松倉 茂  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70030939)
キーワード消化管ペプチド / グアニリン / グレリン / 水電解質代謝 / 消化管内分泌細胞 / 摂食調節 / 胃酸分泌 / 胃運動調節
研究概要

グレリン産生細胞の形態的特徴を詳細に解析した。グレリン細胞は、既知の消化管ホルモン産生細胞とは異なる新たな内分泌細胞で、胃で2番目に多い内分泌細胞であることを報告した。グレリンが迷走神経を活性化して、胃酸分泌と胃運動能を亢進することを示した。胃機能に及ぼすグレリンの新たな生物活性を見出した。
ヒトおよびラット膵臓でのグレリンの局在と膵内分泌系におけるグレリンの作用について検討した。ヒトおよびラット膵臓でのグレリンは膵ラ氏島の辺縁部に存在し、グルカゴンと共存していた。逆相高速液体クロマトグラフィーとラジオイムノアッセイを用い、ラット膵臓でのグレリン分子を同定した。膵ラ氏島にグレリンとグレリン受容体の両者のmRNA発現を認めた。グレリンは膵β-細胞の細胞内Ca^<2+>濃度とβ-細胞からのインスリン分泌を増加させた。グレリンは、グルカゴン産生膵α-細胞に存在し、エンドクリンあるいはパラクリン的にβ-細胞からのインスリン分泌を制御し、エネルギー代謝調節に関与している可能性が示唆された。
カヘキシアに対するグレリンの治療薬としての可能性についても研究した。ヒトメラノーマ細胞(SEKI株)をヌードマウスに移植したカヘキシア惹起マウスにグレリンを連日投与すると、体重と摂食量が生食投与群よりも優位に増加した。癌重量は両群で差を認めなかった。胃グレリンのペプチドおよびmRNAとも、SEKI投与群はコントロール群に比べて有意に高かった。カヘキシアの原因とされる白血病抑制因子(LIF)の血漿中濃度はSEKI移植群で高値を示した。グレリンは癌移植マウスのカヘキシアモデルにおいて摂食低下改善および体重減少抑制作用を示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nakazato M, Murakami N, Date Y, Kojima M, Matsuo H, Kangawa K, Matsukura S: "A role for ghrelin in the central regulation of feeding"Nature. 409. 194-198 (2001)

  • [文献書誌] Nakazato M: "Guanylin family : New intestinal peptides regulating electrolyte and water homeostasis"J Gastroenterol. 36. 219-225 (2001)

  • [文献書誌] Date Y, Nakazato M, Hashiguchi S, Dezaki K, Mondal MS, Kojima M, Kangawa K, Arima T, Yada T, Matsuo H, Matsukura S: "Cellular distribution of ghrelin in human and rat pancreas"Diabetes. 51. 124-129 (2002)

  • [文献書誌] Shiiya T, Nakazato M, Mizuta M, Date Y, Mondal MS, Tanaka M, Nozoe S, Hosoda H, Kangawa K, Matsukura S: "Plasma ghrelin levels in lean and obese humans and the effect of glucose on ghrelin secretion"J Clin Endocrinol Metab. 87. 240-244 (2002)

  • [文献書誌] Date Y, Nakazato M, Murakami N, Kojima M, Kangawa K, Matsukura S: "Ghrelin acts in the central nervous system to stimulate gastric acid secretion"Biochem Biophys Res Commun. 208. 904-907 (2001)

  • [文献書誌] Toshinai K, Mondal MS, Nakazato M, Date Y, Murakami N, Kojima M, Kangawa K, Matsukura S: "Upregulation of ghrelin expression in the stomach upon fasting, insulin-indeced hypoglycemia, and liptin administration"Biochem Biophys Res Commun. 281. 1220-1225 (2001)

  • [文献書誌] 中里雅光: "Annual Review内分泌・代謝2002"金澤康徳, 武谷雄二, 開原久彦, 山田信博. 294 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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