研究課題/領域番号 |
12470135
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
石崎 武志 福井医科大学, 医学部, 教授 (80151364)
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研究分担者 |
飴嶋 慎吾 福井医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60262614)
松川 茂 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00092809)
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キーワード | ロイコトキシン / リノール酸 / cyclin dependent kinase inhibitor / cell cycle / P16 INK4a / senescence |
研究概要 |
平成13年度に引き続きロイコトキシン(Lx)の細胞周期停止機構について検討を加えた。 培養ヒト肺動脈血管内皮細胞(HPEAC)を用いてLxの細胞増殖抑制効果と細胞老化効果とを、それぞれ、1)cyclin dependent kinase inhibitor(CDKI)の一つであるp16INK4aのantisense(antisense p16 INK4aS-oligo)添加の有無で検討した。2)senescence-associated(SA)-β galactosidase染色で検討した。 結果;1)Lxの添加によりHPEACの細胞周期はG1期で停止した。そして、antisense p16 INK4aSoligo処置や添加したLxの除去によってDNA合成能は回復した。Lx投与によりp16INK4aのmRNA発現量は48時間後に約3倍、96時間後に約4倍に増加したが、antisense p16 INK4aS-oligo処置や添加したLxの除去によってその増加は有意に抑制された。また、P16INK4aの蛋白量もLx添加で増加し、antisense p16 INK4aS-oligo処置や添加したLxの除去により増加は認められなかった。 2)HPEACは継代毎にSA-β galactosidase染色陽性細胞が増加し、PD50を超えると細胞増殖能はほとんど失われた。が、Lxの添加によりSA-β galactosidase染色陽性細胞は有意に減少した。Lxとantisense p16 INK4aS-oligo両者の添加によってSA-β galactosidase染色陽性細胞は増加した。 以上の実験成績は、LxがHPEACの増殖抑制作用を示すと同時に細胞老化にも抑制的に働いている可能性を示唆するものである。
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