研究課題/領域番号 |
12470140
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 昌泰 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20192346)
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研究分担者 |
桑原 敬介 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大槻 俊輔 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
北川 一夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70301257)
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キーワード | 脳虚血 / 神経細胞新生 / 神経幹細胞 / アポトーシス / 神経栄養因子 |
研究概要 |
ラット中大脳動脈閉塞モデルおよびマウスー過性前脳虚血モデルを用いて、神経幹細胞の動態およびNeurogenesisに関する検討を行った。ラット中大脳動脈閉塞はナイロン糸を頚動脈から中大脳動脈分岐部まで挿入することにより作成した。増殖細胞のラベルはthymidine analogueであるBromodeoxyuridine(BrdU)を腹腔内投与することにより行った。ラット中大脳動脈閉塞後1-7日に亘って梗塞およびその周辺領域でBrdU陽性の増殖細胞の増加を認めた。しかしその大部分は大型の核を有するマクロファージと考えられた。虚血4日目にBrdUでラベルされた細胞の一部は1ヵ月後にも同領域に観察された。神経細胞のマーカーである微小管結合蛋白質2(MAP2)との二重染色では、増殖細胞の一部はMAP2免疫反応を示し、神経細胞に分化していることが示唆された。また、ラット中大脳動脈閉塞モデルにおいて反対側の非虚血領域の海馬歯状回subgranular zone(SGZ)でも、虚血7日後にBrdU陽性細胞の増加が認められ、やはりそれらの一部は1ヵ月後に神経細胞に分化していることが神経細胞の別のマーカーであるNeuNとの二重染色から示された。またマウスー過性前脳虚血モデルは、レーザードプラ血流計により大脳皮質血流をモニターしながら両側総頚動脈を15分間クリップすることにより作成した。マウスにおいても虚血後4-10日にかけて、海馬SGZでの神経幹細胞の分裂、増殖が生じていることが、神経幹細胞のマーカーであるMusasiとの二重染色から明らかになり、また1ヵ月後には半数近くの細胞が残存し、そのうち7-8割の細胞がNeuN陽性となり神経細胞に分化していることが示唆された。
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