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2000 年度 実績報告書

心不全の遺伝子治療・細胞移植治療

研究課題

研究課題/領域番号 12470149
研究機関千葉大学

研究代表者

小室 一成  千葉大学, 医学部, 助教授 (30260483)

研究分担者 廣井 透雄  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311624)
キーワード心不全 / 心筋細胞分化 / BMP / TAK / Smad / ATF-2
研究概要

心不全の新しい治療法として心筋の新生・再生治療が注目されている。しかし、非心筋細胞を心筋細胞に変換させるといった心筋細胞分化誘導法にしろ、心筋前駆細胞を単離してin vitroで移植するといった心筋細胞移植療法にしろ、心筋細胞分化に関する深い理解が必要である。以前我々はBMPの作用を阻害する分子であるnogginを発現させた細胞株(P19CL6noggin)を用い、BMP下流のキナーゼであるTAKと転写因子であるSmadがともに重要であることを示した。今回は、その2つの系路がどのように心筋分化に関与しているかについて検討した。P19CL6細胞は1%DMSO下で培養すると80%以上の細胞が自律拍動する心筋細胞に分化する。BMPの阻害分子であるnogginを発現させた細胞株CL6nogginは同様の処理でも心筋に分化しない。そこでP19CL6とCL6noggin細胞を用いTAKとSmadの共通下流分子として転写因子ATF-2の役割を解析した。ATF-2はP19CL6細胞において心筋分化誘導をかけるとその発現レベルが上昇した。P19CL6nogginにATF-2を強制発現すると心筋細胞に分化した。またβMHCプロモーター活性はATF-2により上昇し、ATF-2とSmad1/4、ATF-2とTAKの強制発現によりさらに上昇した。また逆にATF-2 dominant negative mutantでは心筋分化及び心筋特異的遺伝子の転写は抑制された。ATF-2はSmadとの会合により、またTAKによるリン酸化により活性が上昇すると報告されているが、今回の結果は、TAKとSmadがATF-2を活性化することにより心筋細胞分化を促進することを示唆している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Zhu W: "Ca^<2+>/calmodulin-dependent kinae II and calcineurin play critical roles in endothelin-1-induced cardiomyocyte hypertrophy."J Biol Chem. 275. 15239-45 (2000)

  • [文献書誌] Aikawa R: "Insulin prevents cardiocytes from oxidative stress-induced apoptosis through actication of P13 Kinase/Akt."Circulation. 102. 2873-9 (2000)

  • [文献書誌] Shimoyama M: "Calcineurin inhabitor attenuates the development and induces the regression of cardiac hypertrophy in rats with salt-sensitive hypertension."Circulation. 102. 1996-2004 (2000)

  • [文献書誌] Wakimoto K: "Targeted disruption of Na^+/Ca^<2+>exchanger gene Leads to cardiomyocyte apoptosis and defects in heartbeat."J Biol Chem. 275. 36991-8 (2000)

  • [文献書誌] Zhu W: "Functional analyses of three Csx/Nkx-2.5 mutations that cause human congenital heart disease."J Biol Chem. 275. 35291-6 (2000)

  • [文献書誌] Saito S: "β-adrenergic pathway induces apoptosis through calcineurin activation in cardiac myocytes."J Biol Chem. 275. 34528-33 (2000)

  • [文献書誌] 池田祐一: "先端医学社"β遮断機の心臓(心筋、冠、伝導)に関する作用。β-遮断機のすべて. 5 (2000)

  • [文献書誌] 小室一成: "先端医学社"心肥大・リモデリングとアンジオテンシンII 心血管系疾患とレニン・アンジオテンシン系-新世代のアンジオテンシンII受容体拮抗。. 2 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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