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2001 年度 実績報告書

心不全の遺伝子治療・細胞移植治療

研究課題

研究課題/領域番号 12470149
研究機関千葉大学

研究代表者

小室 一成  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)

研究分担者 廣井 透雄  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311624)
キーワード幹細胞 / 心筋細胞 / 骨格筋細胞 / 共培養 / GFP / ANP / GATA
研究概要

(I)骨格筋内に心筋細胞へ分化可能な細胞が存在するか否かを検討するため、GFP(green fluorescent protein)を過剰発現するマウスの骨格筋由来細胞を単離し、1)新生仔ラットの心筋細胞と共培養、2)骨格筋由来細胞の単独培養、3)心筋細胞と培養液のみ共有するdouble chamber法による共培養、の3通りの方法で培養した。培養5日後に免疫細胞染色法により心筋特異的トロポニン、ANP、GATA4、cadherin、connexin43の発現を比較検討した。その結果、両者の細胞が互いに接することが可能な共培養下においてのみGFP陽性細胞の一部にトロポニン、ANP、GATA4の発現が認められた。また骨格筋由来細胞と心筋細胞との細胞間接着部位にcadherinとconnexin43の発現が認められた。これらの結果から骨格筋内に心筋細胞に分化可能な細胞が存在することが明らかになった。今後、共培養により心筋細胞のマーカーを発現した骨格筋由来細胞の活動電位やイオンチャネルの発現についても解析し、実際に心筋細胞としての機能を有しているのかも検討していく予定である。また骨格筋以外の組織においても心筋細胞との共培養下で、心筋細胞へ分化する細胞が存在するか否か検討中である。
(II)マウスの心筋梗塞モデルを用いてのLIF(leukemia inhibitory factor)遺伝子プラスミドを下肢に筋注し、2週間後に心臓の解析をおこなった。LIFの筋注により、梗塞部位の壁の菲薄化や心機能の低下は軽減した。また梗塞部位の心筋細胞のアポトーシスは減少し、VEGF(vascular endothelial growth factor)の発現や血管新生の増加が認められた。これらの作用を介してLIFが心保護的に作用していると考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Hosoda T: "A novel myocyte-specific gene Midori promotes the differentiation of P19CL6 cells into cardiomyocytes"J Biol Chem. 276. 35978-35989 (2001)

  • [文献書誌] Zou Y: "Calcineurin plays a critical role in the development of pressure overload-induced cardiac hypertrophy"Circulation. 104. 97-101 (2001)

  • [文献書誌] Zou Y: "Isoproterenol activates extracellular signal-regulated protein kinases in cardiomyocytes through calcineurin"Circulation. 104. 102-108 (2001)

  • [文献書誌] Hiroi Y: "Tbx5 associates with Nkx2-5 and synergistically promotes cardiomyocyte differentiation"Nature Genetics. 28. 276-280 (2001)

  • [文献書誌] Uozumi H: "gp130 Plays a Critical Role In Pressure Overload-Induced Cardiac Hypertrophy"J Biol Chem. 276. 23115-23119 (2001)

  • [文献書誌] Monzen K: "Smads,tak1,and common target arf2-play a critical role in cardiomyocyte differentiation"J Cell Biol. 153. 687-698 (2001)

  • [文献書誌] 小室 一成: "心臓における生命現象の分子生物学"第1章 発生・分化・死からみた心臓の特異性 心臓の発生・分化の分子機序. 15-23 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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